2018 Fiscal Year Annual Research Report
Unveiling the formation mechanism of stellar-mass black holes
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18K13576
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
山口 正輝 甲南大学, 理工学部, 研究員 (00779217)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 星質量ブラックホール / 位置天文観測 / Gaia衛星 / 視線速度観測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究成果は、「研究課題に関する査読論文の出版」と「既存のデータを用いた本研究課題への取り組み」である。本題に入る前に記しておくべきことがある。本研究課題の研究期間は11ヶ月(当初4年の予定)で終了したため、研究成果は本研究課題の準備研究に関するものである。 まず、「研究課題に関する査読論文の出版」であるが、「研究の目的」には「Gaiaデータを用いて発見できるブラックホールの期待数は1000個」と書いている。この個数とその発見から得られる新たな知見についての研究を本年度初めまで行った。この個数は、本研究課題自体の見通しや意義を明確にするために必要である。また、ブラックホールの発見から得られる新たな知見をあらかじめ示しておくことにより、本研究課題の発展性が明らかになる。この研究内容を執筆した論文が本年度初めに受理された。 また、「既存データを用いた本研究課題への取り組み」であるが、これまでに得られている天体カタログデータを用いてブラックホール候補天体を絞り込む研究を行った。本研究課題で用いる情報は天球面上の天体の運動データであるが、ここでは視線方向に沿った運動データを用いている。これまで約一千万天体に対する視線方向の速度データが得られているが、そこから複数回測定されている天体に絞り、周期性を示す天体を連星候補天体とする。さらにその周期と速度からブラックホール候補天体を絞り込む。本年度では、複数回測定されている天体を絞り込むことができた。また、データや具体的手法はすでに別研究者に引き継ぎを完了している。将来的にはこの方法(本研究課題と独立な方法)でブラックホール候補天体を見つけ出すことができ、この天体は本研究課題で用いる方法を確立するのに有用であると考えられる。
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