2021 Fiscal Year Annual Research Report
Magnetohydrodynamic simulations of the final process of accretion process onto a protostar
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18K13579
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高棹 真介 大阪大学, 理学研究科, 助教 (90794727)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 磁気流体力学 / 星形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では円盤と原始星の境界層を解いた3次元磁気流体シミュレーションを実施し、原始星への質量降着最終状態の決定機構について研究した。本モデルの新規性は2点あり、1つめは磁場を考慮した初のグローバルモデルであること、2つめは原始星の構造が原始星進化モデル計算の結果に基づいて与えられている点である。過去の流体モデルでは、磁場は境界層における角運動量輸送で重要にならないという見積もりのもとで無視されてきた。この仮定の検証は十分なされていなかったため、我々はグローバル磁気流体モデルを構築し検証を試みた。その結果、最終年度で実施した磁気流体計算からは、磁場がむしろ重要な角運動量輸送の担い手であることが確認できた。境界層付近からは大部分の角運動量が鉛直方向に引き抜かれることがみられ、ジェットの駆動との関連性が見え始めた。ジェットの根本には諸説あるが、今回見られた流れの根元は星表面ではなく境界層付近であった。これは原始星への角運動量注入率を理解する上で重要な結果と言える。また、降着で原始星に持ち込まれた磁場が星近傍でのガス分布をコントロールしている様子も確認できた。星近傍のガス分布は星の放射冷却効率、つまり星半径進化を決める重要な要素であり、それに対して磁場が大きな影響を及ぼすという点を確認できたことは新しく、かつ本研究の目指した結果の一つである。 当初の計画では当該年度に3次元計算でパラメータ調査を実施する予定であったが、モデル構築中に直面した様々な数値的問題により1モデルを実施・解析するにとどまった。ただし問題の素性や対処法が徐々にわかってきたため、今後の研究に繋がる結果は得ている。
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Research Products
(16 results)