2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K13581
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
塚本 裕介 鹿児島大学, 理工学域理学系, 助教 (70748475)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 原始惑星系円盤 / 星形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
原始惑星系円盤やその周囲の磁場強度は、円盤進化や惑星形成過程を決定づける基本的なパラメータである。 本研究では、この原始星形成円盤やその周囲のエンベロープの磁場強度の進化を3次元磁気流体力学、化学進化計算を相補的に用いて解明することを目的としている。 本年度は、前年度までに開発したガスの電離状態と抵抗値を計算する化学反応計算コードと原始星をシンク粒子として取り扱うことを可能にした3Dシミュレーションコードを組み合わせた最初の応用として、主降着期の円盤、アウトフロー、そして磁束の進化過程を調べた。ここでは特に、ダストサイズがこれらの天体の進化過程にどのような影響を与えるかについて研究した。 その結果、ダストのサイズが大きい場合、(1)円盤サイズが大きくなる,(2)アウトフローの活動性が高まる,(3)磁束の円盤からの流出が促進される、といったことが解明された。このことはダストの成長と原始星進化が関連する可能性があるという点で興味深い。この内容について査読論文を執筆し受理されている。 また、より現実的なダスト成長の効果を調べるために、ダストの力学進化と成長過程を3次元シミュレーションに取り込むための新たなコードの開発を行なった。このコードではダスト-ガスを1流体的に扱いダストとガスの相対速度の時間発展を計算する。この取り扱いでは、ダストとガスの空間解像度が等しくなるため、従来知られていたダストの数値的な濃集が抑えられる利点がある。来年度はこのコードを用いて研究を進めていく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年度めの研究計画にあったシミュレーション研究と論文執筆を予定通り行った。また、新たなシミュレーションコードの開発も順調に進めている。そのため順調に研究を推進していると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
2020年度は研究計画に記載したガスとダストの共進化過程を解明するためにダストの移流と成長をシミュレーションするコードの開発する。これといままで開発した科学計算コードを組み合わせることで、円盤とダストの進化過程を解明する。
|
Causes of Carryover |
本年度後半の出張がコロナウイルス の影響で中止になったため旅費として計上していた予算が繰越となった。 来年度は研究を加速するために京都大学のスーパーコンピュータの利用に予算を使用する。
|
Research Products
(11 results)