2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K13581
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
塚本 裕介 鹿児島大学, 理工学域理学系, 助教 (70748475)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 磁気流体力学 / 星形成 / 惑星形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
原始惑星系円盤やその周囲の磁場強度は、円盤進化や惑星形成過程を決定づける基本的なパラメータである。本研究では原始星形成円盤やその周囲のエンベロープの磁場強度の進化を3次元磁気流体力学、化学進化計算を相補的に用いて解明することを目的に研究を推進してきた。 2019年までの申請者の研究で、分子雲ガスに含まれるダストのサイズが円盤磁束の進化に影響を与えることが明らかになってきた。そこで、2020年度はダストの成長が磁束進化に与える影響を解明するためにダストガス2流体磁気流体力学コードの定式化と実装に取り組んできた。ダストガス2流体磁気流体力学を構築する上での大きな困難は帯電ダストが受ける電磁気力の取り扱いである。一般に分子雲や原始星周囲においてμmサイズのダストは帯電し電磁気力の主要な受け手になる。一方でダストダイナミクスが重要となる(sub-)mm成長したダストに対して電磁気力は無視しうると予想される。そこで、申請者はダストに対する電磁気力を見積もるために化学反応ネットワーク計算を行い、ダストへの電磁気力が無視しうる条件を導出した。さらに、ダストが受ける電磁気力が無視できる近似を用いて、今までの研究で用いてきたシミュレーションコードにダストの力学進化を計算するモジュールを実装した。このコードを用いて種々のテスト計算を行いコードが正しく実装されていることを確認し、査読論文として投稿し受理された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画にあった研究は2020年の前半までに完了し、さらに研究を進める上で重要であることを発見したダストのダイナミクスを計算するシミュレーションコードの開発を行うなど発展的な研究にも従事できた。そのため順調に進展していると結論できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は本課題で開発したダスト-ガス2流体コードにダストの成長過程を計算するモジュールの実装し、ダストの成長を考慮したダスト-ガス2流体磁気流体力学シミュレーションコードを行い、原始星形成後10万年程度の原始惑星系円盤進化過程とその内部でのダスト成長とその円盤の磁場進化への影響について解明する。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス の蔓延によって複数の研究会が延期となり出張旅費が当該年度に支出できなくなった。この予算は延期された研究会への参加費として支出する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Dust polarized emission observations of NGC 63342021
Author(s)
Arzoumanian D.、Furuya R. S.、Hasegawa T.、Tahani M.、Sadavoy S.、Hull C. L. H.、Johnstone D.、Koch P. M.、Inutsuka S.、Doi Y.、Hoang T.、Onaka T.、Iwasaki K.、Shimajiri Y.、Inoue T.、Peretto N.、Andr? P.、Bastien P.、Berry D.、Tsukamoto, Y et al
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Journal Title
Astronomy & Astrophysics
Volume: 647
Pages: A78~A78
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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