2018 Fiscal Year Research-status Report
超新星から明らかにする大質量星の爆発直前の未知の質量放出機構
Project/Area Number |
18K13585
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
守屋 尭 国立天文台, 理論研究部, 助教 (90779547)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 超新星爆発 / 恒星進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はまず、様々な星周構造を仮定した際に超新星のごく初期の明るさの変化にどのような違いが系統的に現れるかを1次元球対称輻射流体力学コードSTELLAを用いて数値的に明らかにした。具体的には、親星の質量放出率や、恒星風加速の違いによって生じる星周構造の違い、さらに超新星爆発エネルギーの違いを考慮した約500通りのモデルを構築することに成功した。この結果、質量放出率や恒星風加速の影響で星周物質密度が高くなることにより、(1)初期の光度曲線がより明るくなること、(2)初期の光度曲線の立ち上がりの時間スケールが非常に短くなること、(3)初期の光度曲線が青くなることが判明した。このモデルを、チリのブランコ望遠鏡に搭載されたDECamによる爆発直後の超新星を観測するサーベイでとらえられた26個の爆発直後の超新星光度曲線と統計的手法を用いて比較した。この結果、26個のうち24個の超新星において高密度星周物質が存在していることが判明し、質量放出率が年間0.001太陽質量以上であることが判明した。また、恒星風の加速機構の違いにより生じる星周物質の密度構造にもある程度制限を与えることができた。残りの2個の超新星では標準的な恒星進化論の予言する程度の質量放出率を親星が持つと考えて問題なかった。より明るい超新星の方がより観測されやすいというバイアスを考慮に入れても、80%程度の超新星において爆発直前の超新星親星の質量放出率が年間0.001太陽質量以上になっていることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
はじめに行う計画であった1次元球対称を仮定した場合のモデルの構築を完了した。また、構築したモデルと観測との比較を行うことにより、爆発直後の超新星親星の星周構造を明らかにできた。
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Strategy for Future Research Activity |
はじめに行う予定であった1次元球対称を仮定した場合のモデル構築と観測との比較は完了した。次に行う予定であった、星周物質の多次元構造を考慮したモデル作りに取り掛かる。多次元輻射流体力学コードを用いて、双極形やトーラス形といった多次元構造を星周物質が持つ場合に1次元球対称を仮定したこれまでのモデルと比べてどのような違いが生じるかを明らかにし、観測にその兆候がないかを調べる。
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Research Products
(19 results)
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[Presentation] HSC SSP transient survey2018
Author(s)
Takashi Moriya
Organizer
Formation and evolution of SMBHs revealed by 'Wide field', 'Multi-wavelength', and 'Transient' surveys with HSC
Int'l Joint Research / Invited
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