2020 Fiscal Year Research-status Report
Unveiling the planet formation by ALMA polarization observations
Project/Area Number |
18K13590
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
片岡 章雅 国立天文台, 科学研究部, 助教 (70749308)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 惑星形成 / 原始惑星系円盤 / 電波観測 / 偏光 |
Outline of Annual Research Achievements |
惑星形成は、原始惑星系円盤におけるダストの付着成長によって実現する。近年、特にアルマ望遠鏡により原始惑星系円盤の全体像が詳細に明らかとなってきた。特に、リングギャップ構造の解明は、原始惑星系円盤においてまさに惑星が形成されつつあることの間接的な証拠として注目されてきた。その一方で、原始惑星系円盤における惑星の種であるダスト粒子の質量は、惑星を形成するには足りないと指摘されるなど、そのミクロ物理の解明が重要な課題となっていた。
このような中で我々は、近年着目されているダスト散乱及び散乱に起因する偏光観測に着目し、ダスト質量やサイズと言ったミクロ物理の制限を勧めた。原始惑星系円盤TWHyaの多波長連続波データに対して、これまで無視されてきた散乱の効果を加えて再解析をしたところ、特に中心付近におけるダスト質量は、これまで見積もってきたものよりも20倍以上大きいことがわかった。これは、惑星の種であるダストの質量がこれまでより重かった可能性を示しており、惑星形成にインパクトのある結果である(Ueda, Kataoka, et al. 2020, ApJ, 893, 125)。また、原始惑星系円盤IRS48においては、ミリ波偏光観測データ及びVLA連続波データを用いた結果、双方の結果を説明するには従来必要とされていたよりも重いダストが必要であることがわかった(Ohashi, Kataoka et al. 2020, ApJ, 900, 81)。これらの結果はそれぞれThe Astrophysical Journalに出版された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
原始惑星系円盤におけるこれまでの結果を覆しかねない解釈論文であるが、論文は順調に出版されている。コロナ禍で国際研究会等自体が減り成果報告の機会は減ってしまっているため、1年間の補助期間延長を申請した。コロナ禍が落ち着けば国際研究会等で積極的に成果を公表したい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、成果発表を中心とする。また、これらの研究を踏まえ、アルマに観測提案をしている。更に、これらの結果は従来の結果の再解釈によって可能であるため、アルマアーカイブデータなどを通して、積極的に研究を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で国際研究会等が延期またはオンライン化され、成果発表に計上した旅費が使えなくなったため、補助機関1年延長を申請した。コロナ禍が落ち着き次第、国際研究会で成果を発表したい。
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