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2018 Fiscal Year Research-status Report

オールト雲の解明

Research Project

Project/Area Number 18K13606
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

有松 亘  京都大学, 理学研究科, 研究員 (70770808)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywords太陽系外縁部 / タイムドメイン天文学 / 惑星科学
Outline of Annual Research Achievements

2018年度には動画観測データから恒星掩蔽現象を確実に検出し、偽検出率や検出効率を高い精度で計算する解析プログラムを開発した。この解析プログラムを申請者が昨年度までに取得した既存の観測データに適用することで、史上初めて半径1-10キロメートル(以下キロメートルサイズ)のサイズを持つ太陽系外縁天体による恒星掩蔽現象を検出することに成功した。本年度は本研究成果に関する論文(Arimatsu et al. 2019)を投稿し、公開した。キロメートルサイズの太陽系外縁天体の存在が直接観測・掩蔽観測いずれでも観測的に明らかになったのは史上初めてである。本研究成果は『オールトの雲の小天体の発見』という本研究の最終目的の達成にとっても極めて大きな前進である。本年度はさらに当初の計画で予定されていた掩蔽観測システムのアップグレードを一部実行した。オールト雲天体の検出をより確実に実現するために、アップグレード版観測システムの概念設計を当初の予定から変更し、小サイズの外縁天体による掩蔽観測に特化した新観測システムA(仮)と、より大きなサイズの外縁天体による掩蔽観測に特化した新観測システムB(仮)の計2種類の観測システムの開発を実施することにした。新観測システムAに関しては既存の観測システムのアップグレードで対応予定で、すでに概念設計まで完了しているが、アップグレードで採用予定であった一部観測装置の流通開始時期が予定よりも遅れているため、2019年度中の完成を予定している。いっぽう新観測システムBに関しては試作機の開発を実行し、2019年3月には観測予定地である沖縄県宮古島市にて試験観測を実施した。こうした活動と並行して、東京大学木曽観測所シュミットカメラに搭載されたTomo-e Gozenカメラなど、既存もしくは近未来に稼働する予定の観測装置を用いたオールト雲天体の観測可能性を検討した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

新観測システムに採用予定の観測装置の流通開始時期の都合により、本年度に実施予定だった観測システムの開発・アップグレードに一部遅延が発生しているが、現状で実施可能な開発や試験観測、ソフトウエア開発などは概ね実施できている。さらに本年度は、既存の観測データから史上初めてキロメートルサイズの太陽系外縁天体による掩蔽現象を発見することに成功し、査読付き論文として公開することができた。この研究成果は本研究の遂行にとっても極めて大きな飛躍であり、今後の研究遂行に活路を見出すものである。よって全体としては当初の予定通り研究が進行したと判断する。

Strategy for Future Research Activity

2019年度には観測システムの開発を進め、観測システムBを用いたモニタ観測および観測システムAの試験観測を実行する予定である。さらに東京大学木曽観測所シュミットカメラに搭載されたTomo-e Gozenカメラなど、既存の観測装置による掩蔽モニタ観測も実行する予定である。以上のような多角的なアプローチによる観測を通して、オールト雲天体による恒星掩蔽現象のより確実な検出を実現することを目指す。

Causes of Carryover

研究実績の概要欄にて明記したとおり、本年度実施予定だった観測システムの開発・アップグレードに関しては、オールト雲天体による恒星掩蔽のより確実な検出を実現するためにアップグレードシステムの概念設計を変更したこと、および当該アップグレードに必要な機材の流通開始時期の都合で一部開発・試験観測実施が遅れているために、次年度使用額が発生している。次年度には本年度遅延したアップグレードを実施する予定であり、次年度使用額分は翌年度分の助成金と合わせて観測システムのアップグレード、試験観測およびモニタ観測の遂行に使用する予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2019 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 1 results) Remarks (2 results)

  • [Journal Article] A kilometre-sized Kuiper belt object discovered by stellar occultation using amateur telescopes2019

    • Author(s)
      Arimatsu K.、Tsumura K.、Usui F.、Shinnaka Y.、Ichikawa K.、Ootsubo T.、Kotani T.、Wada T.、Nagase K.、Watanabe J.
    • Journal Title

      Nature Astronomy

      Volume: 3 Pages: 301~306

    • DOI

      https://doi.org/10.1038/s41550-018-0685-8

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Luminosity function of faint sporadic meteors measured with a wide-field CMOS mosaic camera Tomo-e PM2019

    • Author(s)
      Ohsawa Ryou、Sako Shigeyuki、Sarugaku Yuki、Usui Fumihiko、Ootsubo Takafumi、Fujiwara Yasunori、Sato Mikiya、Kasuga Toshihiro、Arimatsu Ko、Watanabe Jun-ich, et al.
    • Journal Title

      Planetary and Space Science

      Volume: 165 Pages: 281~292

    • DOI

      https://doi.org/10.1016/j.pss.2018.09.006

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Remarks] 小型望遠鏡で捉えた太陽系最果てにある小天体の影

    • URL

      https://www.nao.ac.jp/news/science/2019/20190129-kbo.html

  • [Remarks] 太陽系の果てに極めて小さな始原天体を初めて発見

    • URL

      http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2018/190129_1.html

URL: 

Published: 2019-12-27  

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