2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K13606
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
有松 亘 京都大学, 理学研究科, 研究員 (70770808)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 太陽系外縁部 / タイムドメイン天文学 / 惑星科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度には動画観測データから検出された恒星掩蔽現象に対して、(1)詳細な光度曲線を計測する動画データ解析プログラム、および、(2)得られた光度曲線と直接比較可能なモデル光度曲線を計算し、天体のサイズや表面大気圧などについて観測的制約を得ることのできるfitプログラム、の開発を実行した。2019年6月および7月には既知の太陽系外縁天体であるQuaoar(クワオアーもしくはクワオワー)および冥王星による恒星掩蔽現象について、それぞれ国内外の望遠鏡を用いた協調観測を実行した。得られた観測データに対して作成したデータ解析およびfitプログラムを適用し(データ解析プログラムに関しては一部実行)、Quaoarおよび冥王星表面の表面大気圧について新たな観測的制約を得ることに成功した。Quaoarの観測成果に関しては論文(Arimatsu et al. 2019, Astronomical Journal, 158, 6, 236)を投稿し、出版された。小サイズの外縁天体による掩蔽観測に特化し、概念設計が完了している新観測システムA(仮)に関しては、2018年度に引き続き一部観測装置の流通開始時期が予定よりも遅れているため、2020年度前半での完成を予定している。当該遅延にはcovid-19ウイルスの世界的流行の影響も含まれている。いっぽう大きなサイズの外縁天体による掩蔽観測に特化した新観測システムBに関しては試作機を改良した上で、東京大学木曽観測所シュミットカメラに搭載されたTomo-e Gozenカメラとの流星の協調観測を2019年8月に実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新観測システムに採用予定の観測装置の流通開始時期の遅延(covid-19ウイルスの世界的流行の影響を含む)により、本年度に実施予定だった観測システムの開発・アップグレードに一部遅延が発生している が、現状で実施可能な開発や試験観測、ソフトウエア開発などは概ね実施できている。さらに本年度は、既知の太陽系外縁天体であるQuaoar(クワオアーもしくはクワオワー)および冥王星による恒星掩蔽現象の観測に成功し、それぞれの表面大気圧について導出することに成功した。この研究成果は太陽系外縁天体の観測的解明を目標とする本研究の遂行にとっても極めて大きな飛躍であり、今後の研究遂行に活路を見出すものである。よって全体としては当初の予定通り研究が進行したと判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
観測システムの開発を進め、観測システムAの試験観測を実行する予定である。さらに2019年度に引き続き、既存の観測装置による既知の太陽系外縁天体による恒星掩蔽モニタ観測も実行する予定である。以上のような多角的なアプローチによる 観測を通して、オールト雲天体による恒星掩蔽現象のより確実な検出を実現することを目指す。
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Causes of Carryover |
研究実績の概要欄に明記したとおり、本年度実施予定だった観測システムの開発・アップグレードに関しては、当該アップグレードに必要な機材の流通開始時期の都合で一部開発・試験観測実施が遅れているために、次年度使用額が発生している。次年度には本年度遅延したアップグレードを実施する予定であり、次年度使用額分は翌年度分の助成金と 合わせて観測システムのアップグレード、試験観測およびモニタ観測の遂行に使用する予定である。
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Research Products
(5 results)