2018 Fiscal Year Research-status Report
地球大気の日周期変動が気象・気候システムに果たす役割の解明
Project/Area Number |
18K13612
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坂崎 貴俊 京都大学, 理学研究科, 助教 (70723039)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 日周期 / 大気再解析 / 数値シミュレーション / 短周期 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目的は,「日周期変動は地球の気象・気候システムの中で、どのような能動的役割を演じているのか?」という問いに答えを出すことである.そのために,(1) 領域気候モデル,(2) 全球大気モデルの二種類を用いて,ぞれぞれ日周期強制有り/無しのシミュレーション(3ヶ月程度の積分時間)を行った.これらのデータの予備的解析により,日周期の有り/無しで,大気の短周期変動(1時間- 2日スケール)に差異が顕れることが分かりつつある. 一方で,上記のシミュレーションの妥当性を検証するために,高時空間分解能を持つ現実大気のデータセットを解析する必要が生じた.そこで最新の全球大気再解析データ(ERA-5: 1時間間隔の全球データセット)を取得し,短周期成分についての解析を行った.また,大規模データ解析を進めるにあたって,新しくPython(プログラム言語)を用いることにし,その技量習得と研究基盤構築を行った. 今後はERA-5を用いて,短周期成分についてのエネルギー収支解析を行い,それらを日周期有り/無しのシミュレーション結果と比較することで,主に日周期が短周期変動に果たす役割に着目して定量的な調査を進める予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データ解析に用いるプラットフォーム(プログラム言語)を最新のものに変更したため,その情報収集や技量習得に時間を費やした.また,昨年度より教育業務が加わったことにより,従来想定していたよりも本研究へのエフォート率が下がったため.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きPythonによる研究基盤構築を進めながら,再解析データ,数値シミュレーションデータを併せたデータ解析を行う.必要によっては,異なる実験設定(積分時間や地表面条件)で数値シミュレーションをやり直す. なお,これまでの研究により大気の短周期成分を詳しく調べる必要が出てきた.ところが,これらは観測の制約などから従来あまり注目されておらず,その動態(時空間変動)を調べる研究も学術的意義が大きい.そこで今後は,大気の短周期成分そのものを調べる研究も並行して行いたいと考えている.
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Causes of Carryover |
成果発表の経費(学会参加・論文投稿費)が予定より少なかったため.
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Research Products
(7 results)