2018 Fiscal Year Research-status Report
三次元雷可視化システムを用いた発電用大型風車からの上向き雷成因の解明と予知
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18K13618
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
ウ ティン 岐阜大学, 工学部, 助教 (50789774)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 雷三次元観測 |
Outline of Annual Research Achievements |
雷放電路三次元進展可視化システムFALMAの開発と夏季雷観測データの解析を行った。岐阜県及びその周辺での12観測サイトから構成したFALMAの夏観測データを解析し、FALMAは雷放電の三次元進展の様子を細かく再現できることが分かった。夏季雷データの解析で以下三つの成果が出ており、論文にまとめた:(1)正極性落雷の初期放電のパルス列(preliminary breakdown pulses)の放電極性を初めて特定した;(2)高高度(>12㎞)から開始し、下に進展する雲放電を初めて観測した;(3)観測が困難と言われる正極性リーダを数百例記録し、進展速度の統計解析ができた。これらの結果は平成30年度6月に開催された第16回国際大気電気学会でも発表され、注目を浴びた。 冬季雷の観測に向けて、夏に北陸地方に7か所の観測サイトを設置し、予備実験として観測を行った。そして、10月からさらに7か所の観測サイトを増やし、直径80㎞の観測ネットワークを構築した。このシステムを用いて、10月から3月まで上向き雷を中心に冬季雷の観測を行った。停電や雪などの影響にもかかわらず、12サイト以上同時に観測した冬季雷は数百例があった。その中に、上向き雷は既に数例確認できた。今後はこれらのデータを詳しく解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
夏季雷データの解析により複数の成果は既に出ているため、私たちが開発した雷放電路三次元進展可視化システムFALMAの優れた性能が確認できた。FALMAを用いて北陸での冬季雷観測も多くのデータを獲得した。これらのデータの解析で多くの成果が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度冬季の観測で、いくつかの観測サイトのノイズレベルは高くて、改善する余地がある。今後はノイズレベルの低い場所に移設して、もっと質の高いデータを獲得することを準備している。
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