2019 Fiscal Year Annual Research Report
阿蘇山・伊豆大島火山における比抵抗構造異方性の解明
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18K13631
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
南 拓人 神戸大学, 理学研究科, 助教 (90756496)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 阿蘇 / 火山 / 人工電流 / ACTIVE / 比抵抗 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、伊豆大島において、約20点のAMT観測(1秒以下の自然の短周期変動を利用した地下電磁場探査観測)を実施した。観測は、2019年8月29日に下見を実施し、2019年11月10日-16日の日程で、東工大・地震研・京大などの複合観測チームで実施した。伊豆大島では、東京大学地震研究所の小山崇夫助教、上嶋誠教授により人工電流を用いる地下電磁探査手法であるACTIVE観測が長く実施されてきている。今回のAMT観測では、AMTの機器によってACTIVEの人工電流送信機によるシグナルの受信する事に成功している。現在、データの解析を地震研究所の小山助教と進めている段階であるが、この解析が実現すれば、AMTとACTIVEによる火山の地下比抵抗の複合イメージングが可能になる。ただし、2019年度では、予定していたACTIVE・MTのインバージョンコードが開発が現状終了しておらず、今後も引き続き開発を継続していく必要がある。これまでにMinami et al. (2018)の成果の通り、ACTIVEのインバージョンコードは完成しているので、今後MT法モジュールを加える予定である。 2019年度はまた、多くの学会活動を行い、これまでの主に阿蘇山におけるACTIVE観測の成果を報告した。その際、2019年5月に開催された地球惑星連合大会では、Minami et al. (2018)の成果が認められ、火山学会研究奨励賞を受賞した。また、これを受け、2019年9月に名古屋で開かれた火山学会では受賞記念講演を行い、加えて、2020年1月に温泉地学研究所で開かれた国際水蒸気噴火ワークショップでは、招待講演を行った。 本課題による研究は、2020年度より、基盤研究B「水蒸気噴火に関わる阿蘇山地下熱水系の観測的研究」に引き継がれることとなる。上記成果を今後の研究においてさらに発展させていきたい。
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