2020 Fiscal Year Research-status Report
小型哺乳類の化石記録から,進化における生物学的要因の重要性を解明する
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18K13650
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
木村 由莉 独立行政法人国立科学博物館, 地学研究部, 研究員 (50759446)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脊椎動物化石 / 同位体生態学 / 小型哺乳類 / 小動物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の3年度目となる本年では,前年度までの飼育実験を通して得た同位体データ(血液,呼気,歯エナメル)について,補正作業を進め,基礎データと組み合わせた解析を実施した.呼気については,採取した呼気を吸水剤と共にガラスバイアルに注入する手法で保管し,数週間以内に分析するという昨年度の方法を踏襲した.また,それらのデータを補完するために継続した飼育実験から得られたサンプルの安定同位体分析を実施した.これらの結果から,歯エナメルの同位体の変化量は授乳時期と歯エナメルの形成時期によって回帰モデルを作成した.また離乳後すぐに形成された歯エナメルでは,炭素同位体比が平衡値から正方向に大きくずれることがわかり,同現象は呼気データからも裏付けられた.そこでデータ補完するために,小動物1種を実験に追加し,呼気の炭素同位体比を測定した.また,化石標本を取りまとめて作成したデータベースを元に,分岐年代推定のための基準となる化石をまとめ,共同研究者らとともに論文化した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は飼育実験とそれに関連した分析については計画通りに実施することができたが,コロナ感染防止対策状況下で渡米が困難で,化石サンプルの分析を実施することができなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
当初本プロジェクトは3年計画として研究を推進してきたが,世界的なコロナ感染防止対策の状況下であったため,本年は申請者の所属機関および国内の協力機関できる分析に留まった.しかし,分析データの解析から,限定的ながらも化石データの補正値を提案できることが明らかとなったので,化石の分析・解析と平行してデータの論文化を進める.
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Causes of Carryover |
本年度に配分されていた予算のうち約613442円を翌年度分として請求する計画である.次年度使用額が生じた理由として,コロナ感染防止対策の状況下のため,海外研究機関での分析が困難となったことを挙げる.海外研究機関とは綿密な連絡を取っており,本年度には実施できるものと考えている.
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[Journal Article] Chapter 15 The Murine Cradle2020
Author(s)
Flynn L. J., Y. Kimura, L. L. Jacobs
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Journal Title
Biological consequences of Plate Tectonics: New Perspectives on Post-Gondwana Break-up;A Tribute to Ashok Sahni, Springer
Volume: NA
Pages: 347-362
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Presentation] Rodent stable isotopes provide new data on Miocene ape environments in the Siwaliks and the Valles-Penedes Basin2020
Author(s)
Casanovas-Vilar, I., Kimura, Y., Flynn, L.J., Alba, D.M., Pilbeam, D., Moya-Sola, S
Organizer
American Association of Physical Anthropologists
Int'l Joint Research
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