2019 Fiscal Year Annual Research Report
Fine Injection Technique by high density electron flow: Fabrication of Super-long fine material
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18K13653
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木村 康裕 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (70803740)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 機械材料・材料力学 / 原子拡散 / エレクトロマイグレーション / インジェクション / ファインマテリアル |
Outline of Annual Research Achievements |
平成31年度および令和元年度は、高密度電子流による原子拡散を活用した金属ファインインジェクション技術の創出による新材料創製基盤の開拓を目指し、前年度に開発した射出機構試作機の動作条件制御による金属ファインワイヤの創製と品質調査を遂行し、以下の研究実績を得た。 (II)金属超長ファインワイヤの射出条件最適化と創製 原子拡散の駆動力である電流密度および原子拡散が熱活性化過程であることによる外部温度の2つを射出条件と定め、これらの条件と射出の関係を調査した。電流密度に依存して射出速度は増加し、さらに外部温度にも大きな影響を受けることが確認された。加えてワイヤ射出に要する配線周りの拘束材料が有する残留応力がワイヤ創製に及ぼす影響を調査し、活性化エネルギー変化の観点から考察を行うことで、射出条件最適化に係る方針策定に資するさらなる成果を得た。 (III)創製ファインワイヤの組織分析 創製したファインワイヤについて、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた組織分析を行った。創製したファインワイヤに対して集束イオンビームを用いた試料薄片化を実施し、電解放出形TEM(JEM-2100F)による明視野像・制限視野電子回折像・高分解能像・低角度散乱暗視野法によるLAADF像の取得および解析に成功した。これらを通じて創製したファインワイヤには、これまでに報告がない多結晶構造およびアモルファス構造を有することが確認された。これまでに創製したファインワイヤは単結晶構造もしくはバンブー構造であったが、これらとは異なる結晶組織を有するファインワイヤの創製に成功した。以上は射出条件および射出機構の構造条件に左右されると示唆され、ファインワイヤの新たな結晶組織制御の可能性を提示する成果を得た。
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