2018 Fiscal Year Research-status Report
磁歪材料製ネジの電磁力学特性評価とネジ型デバイスの開発
Project/Area Number |
18K13654
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
森 孝太郎 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 講師 (40712740)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 磁歪材料 / 電磁力学特性 / センシング / 材料力学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,力に対する感知機能を有し,磁場による締結力の制御が可能な磁歪材料製のネジの開発を目的に,鉄コバルト製ネジの感知・締結特性を理論的・実験的に解明するものである.また,感知・締結特性だけでなく,振動・衝撃による発電特性についても検討し,大量に配置することを前提とした,多機能なネジ型デバイスの設計理論・技術の確立も目指すものである.そこで,H30年度は以下の2項目に関して研究を行った.①磁歪材料である鉄コバルト合金で様々な大きさのネジを作製し,それらの締結試験を行って,締付けトルクと漏れ磁束の関係を明らかにする.②締結前後で鉄コバルト製ネジに与える磁場を変化させ,磁場と内部応力の関係を明らかにし,締結力の制御について検討する. 項目①に関してφ12の鉄コバルト製ネジを作製し,締結試験を行い,軸方向ひずみおよびネジ頭部の磁束密度変化を計測した.軸方向ひずみよりネジの軸力を求め,締付けトルクと軸力の関係を明らかにした.また,軸力と磁束密度変化,締付けトルクと磁束密度変化の関係についても検討した.項目②に関して,項目①と同様に締結試験を行った.この時,ネジに負荷するバイアス磁場を変えて試験を行い,バイアス磁場が磁束密度変化におよぼす影響について評価した.また,有限要素解析および理論計算を行い,実験結果と比較した. H30年度は以上の通り研究を実施した.引き続き磁歪材料製ネジの電磁力学特性の解明および磁歪複合材料ネジを用いたスタンドアロン型センサのような磁歪ネジの多機能化や応用可能性について検討していく.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H30年度は以下の2項目に関して研究を行った.
①磁歪材料である鉄コバルト合金で様々な大きさのネジを作製し,それらの締結試験を行って,締付けトルクと漏れ磁束の関係を明らかにする. ②締結前後で鉄コバルト製ネジに与える磁場を変化させ,磁場と内部応力の関係を明らかにし,締結力の制御について検討
上記項目に関して当初の予定通り研究を実施できたため,おおむね順調に進展していると判断する.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は以下の項目に関して研究を進めていく.
③鉄コバルト製ネジで固定した試験片の感知・応答特性,破壊・疲労特性,発電特性を評価 ④鉄コバルト合金繊維を含むエポキシ製ネジおよびコイル含有ナットの作製や鉄コバルト合金繊維およびコイルを含む一体型ネジの開発および特性評価
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は,残額が少額となり,経費を有効活用する観点から,次年度経費と一体的に使用することとしたためである.この助成金は令和元年度の予算とまとめて学会の参加費として利用する予定である.
|