2018 Fiscal Year Research-status Report
Study on micro-manipulation using adhesion force control
Project/Area Number |
18K13656
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
関口 悠 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (00712423)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 凝着現象 / ヤモリ / 可逆接合 / 物体操作 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は物体をPick&Placeするマイクロマニピュレータに凝着力制御を利用した手法を取り入れることである.重力が支配的なスケールにおいて凝着力はほとんど問題となることはないが,物体が小さくなるほど重力よりも凝着力のほうが支配的となり,接触問題において凝着力が無視できなくなる.宇宙空間などの無重力状態においても同様のことが言える.剥がすことが出来ず問題視されている凝着力を上手く制御できるようになれば,把持・脱離に凝着力を応用できるようになる.凝着力制御の手法として,微細毛構造を利用した異方性可逆接着を利用しているヤモリの足裏構造に着目し,そのメカニズムを応用したPick&Placeを目指す.ヤモリの足裏には,マイクロオーダーの微細構造であるセタとその先端に生えるナノオーダーのへら状微細構造であるスパチュラから成る階層構造の微細毛が密に生えている.この微細構造によってヤモリは天井や壁を登ったり移動したりできる.本研究では,ヤモリ足裏の微細構造の中でも特にセタの役割に着目し,その着脱性能を物体操作へ応用できないか検討を行う.実際のヤモリ足裏の微細毛構造は非常に複雑であり,完全なる模倣には革新的な製造技術の進歩が必要である.一方で,構造物の各階層の役割を理解し,目的とする役割に大きく寄与する構造を選択的に取り入れることは,より洗練されたデザインへとつながる.30年度は,形状が凝着力へ及ぼす影響を実験的に明らかにしてきた.その結果、様々な条件での実験から把持・脱離に有効な形状の傾向が明らかにされた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
物体操作への応用へ向けた構造体の凝着メカニズムが実験的に明らかになってきているため.
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続きメカニズムの解明と形状の最適化を検討するとともに,物体操作を実際に行うためのデバイス作成に向けた検討を始める.
|