2018 Fiscal Year Research-status Report
異種拡散の先駆的融合によるCuO-Ag高次微細複合構造体の革新創製とその展開
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18K13659
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
李 渊 東北学院大学, 工学部, 准教授 (50625001)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 機械材料・材料力学 / 拡散 / 微細複合構造体 / ガスセンサ |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は計画した研究を遂行し、以下の研究実績を得た。 (1)異種拡散の順次制御による高次微細複合構造体の創製ならびに影響因子の解明 まずCu箔を加熱することにより、応力勾配を駆動力とするストレスマイグレーションを意図的に誘起した。これより、Cu箔の表面に大量のCuOナノワイヤを創製した。次にそのCuOナノワイヤが生えているCu箔を陰極として、Ag箔を陽極として、自作したアクリルセル内に一定の距離に隔てて設置して、脱イオン水を満たした後に、両電極間に一定の直流電圧を印加することにより、電位差を駆動力とするイオンマイグレーションを誘起した。これより、陽極から溶解した金属イオンを陰極に移動・析出し、CuOナノワイヤの表面にさらにAgナノデンドライトを生成させた。最後に、ストレスマイグレーションにおいて加熱温度と加熱時間を変動させ、イオンマイグレーションにおいて印加電圧と印加時間を制御し、拡散の進行過程および創製した微細複合構造体の形態等における差異を比較することにより、異種拡散の融合における影響因子を解明した。 (2)異なる組み合わせへの拡張 上記のことを踏まえて、異なる材料における拡散現象に基づく、CuO-SnO2やSnO2-Ag等の異なる組み合わせを持つ高次微細複合構造体の創製にも試みた。 以上より、加熱実験と通電実験より、異種拡散の融合を先駆的に実現させることで、化学薬品の使用が不要になり、簡易かつグリーンな手法でCuO-Ag高次微細複合構造体の創製に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記載の通り、申請時に計画した研究を遂行し、異なる駆動力による拡散現象を順次に制御し、影響因子を解明するとともに、微細高次複合構造体の創製に成功し、順調に実績を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画調書に記載の通り、次年度は下記の内容を実施し、研究を推進する。 前年度創製した微細複合構造体を用いて、ガスセンサへの応用展開を図るために、異なる雰囲気環境における通電実験を行い、微細複合構造体の電気伝導度の環境依存性を解明する。
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Causes of Carryover |
学会の開催時期が年度末であるため、次年度使用額が発生した。 当該未使用額を学会の旅費として次年度使用する。
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Research Products
(2 results)