2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of structural color printing technology utilizing the stick-slip phenomenon on a needle
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18K13669
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
内藤 圭史 岐阜大学, 工学部, 助教 (50759339)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | スティック・スリップ現象 / 構造色プリンティング / 摩擦 / 摩耗 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,スティック・スリップ現象を利用した独自の加工法(SS 加工法)を,将来的に簡易・安価かつ描画可能な構造色プリンティング技術として応用化することを念頭に置き,加工工具に針を用いたSS加工法の確立を目的として,針のSS挙動,および,針のSSにより形成された構造と発現する色の関係解明を目指すものである.本研究は大別すると「①針のSSに関する知見の実験的取得及び針のSS加工法の制御」と「②針のSSによる構造色プリンティングの制御」の2テーマから成り,このうち最終年度(R01年度)は②を実施した. 最終年度の結果を簡潔に述べる.まず,針を用いたSS加工によって,構造色を発現する微細周期構造の形成に成功した.申請者は初年度の研究において,4種の入力条件(加工対象物の張力,針の刺込量,加工対象物の移動速度,針の自由端の長さ)と出力(微細周期構造の形態:微細な穴のピッチや穴径,深さ等)の関係を明らかとしていたが,構造色の発現には至っていなかった.この問題に対し,様々な検討を重ねた結果,加工工具である針をさらに鋭いものとすることが,解決のための1つの策であると考えた.そこで,初年度は市販の針の中で最も鋭い部類の針(先端曲率半径:約10μm)を用いていたが,これでは構造色を発現させられなかったため,最終年度は原子間力顕微鏡用のプローブを加工工具として使用した.その結果,形成された構造は虹色の構造色を発現した.また,この微細周期構造を走査型プローブ顕微鏡により調べ,虹色を発現するための入力範囲を大まかではあるが明らかとした.なお,今回は単色の構造色の発現には至っていないが,光学理論から考えるに,微細周期構造の周期を可視光の波長と同程度まで狭められれば,単色の構造色の発現も可能であると考えられる.但し,それには,フィードバック制御および精密制御可能な専用機の開発が必須である.
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