2018 Fiscal Year Research-status Report
データマイニングを応用した研削砥石選定支援システムの開発
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18K13672
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
児玉 紘幸 岡山大学, 自然科学研究科, 講師 (60743755)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 研削砥石 / データマイニング / 決定木 / 平面研削 |
Outline of Annual Research Achievements |
研削砥石選定データベース(JISおよび砥石カタログ)に対して,決定木手法を適用することにより,砥石の5因子が迅速に決定できる視覚化図を作成した.また,オーステナイト系ステンレス鋼(JISSUS310S)に対して,視覚化図よって導出された最適砥石およびカタログが推奨する砥石を用いて平面研削実験を行い,そのときの研削抵抗,加工後の表面性状,砥石の摩耗量を測定した.その結果,決定木手法が提案する視覚化図によって導出された砥石の研削性能は,カタログが推奨する砥石と比較して,加工後の表面性状にほとんどの差異が見られなかったが,研削抵抗の低減効果が見られた.データマイニングによって導出された視覚化図の有用性を実験的に検証することができた.これらの成果は,国内外の学会にて発表された.上記の研究成果をまとめた投稿論文の掲載が決定した.本研究が提案する手法および研削砥石選定が容易に行える視覚化図の有用性が定量的に評価されることにより,熟練技能者の体系的ではない暗黙知や試行錯誤による実験に頼ることなく,迅速に砥石の選定が行えることを示したい.その結果,最適砥石を選択するまでのコスト削減が期待できるだけではなく,いままで体系的に表現できなかった砥石選定指標の見える化が可能となる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研削砥石選定支援システムのベースとなる構築が行えた.構築したシステムの有用性検証実験を遂行した結果,オーステナイト系ステンレス鋼の平面研削において提案する支援システムは初期の砥石選定の指針を与えるのに十分な性能を有していることが確認できた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,S45Cに代表される炭素鋼,合金鋼,6-4チタン合金などに対して上記の研削実験を遂行することにより,より多角的な視点において,本研究の提案する研削砥石要素決定支援手法の有用性を検証していく方針である.一方で,意思決定の暗黙知がブラックボックス化されない機械学習手法を本研究の提案するシステムに対する解析手法として適用することを検討することで,研削砥石決定の精度を向上させるとともに,砥石決定に有意な知見の見える化を行っていく.
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Causes of Carryover |
平面研削実験で使用する研削砥石の購入代金が当初予定していた金額よりも少額で済んだ.次年度は,有用性検証実験のための備品購入代金として使用する予定である.
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