2018 Fiscal Year Research-status Report
Liquid-vapor phase diagram in porous media heated laterally
Project/Area Number |
18K13700
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
西川原 理仁 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50757367)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 三相界線 / 気液二相流 / 相置換 / 多孔体 / ポアネットワーク / キャピラリー数 / 粘性比 / 飽和度 |
Outline of Annual Research Achievements |
多孔体内二相流は、地中のエネルギー資源の回収、二酸化炭素の地下貯蔵、相変化を利用した熱輸送デバイス(ループヒートパイプ)などで現れ、工学的に重要な現象である.多孔体内での相分布や相界面形状によって、システムやデバイスの性能、効率が変化する。しかしながら、多孔体内の空隙構造は不均一で内部の流動は複雑になることから、二相流や相分布挙動は詳細には解明されていない.特に本研究では、多孔体と壁面との間の流動を対象とし、可視化装置による観察と細孔スケールのシミュレーションによって気液二相流および相分布挙動を調査した。 多孔体と壁面との間の気液二相流を観察可能な可視化装置を新たに構築した。二重のぞき窓を有する真空チャンバ内の下部窓の下側に接するように多孔体を固定し、下部窓の中心部に細孔加工を施し、細孔から気体を侵入させ液体で満たされた多孔体内の排水過程を再現し、多孔体と下部窓の壁面との間での気液界面挙動を上から上部窓を通して観察した.気相領域が拡大し多孔体の端に貫通し相分布変化が落ち着くまでを観察し、気液相界面形状や飽和度を画像から定量的に評価した.気体の注入速度や流体を変更することで、キャピラリー数や気体と液体の粘性比を変化させてその影響を調査した。 キャピラリー数が増加すると気液界面形状がキャピラリーフィンガリングからヴィスカスフィンガリングに遷移することが観察された.接触面での飽和度の挙動は従来の多孔体内での飽和度の挙動と同じ傾向を示した。熱輸送デバイスで重要となる三相界線長さに関してはヴィスカスフィンガリング、低い粘性比で最も長くなることが分かった。 また多孔体と壁面間の構造をX線CTによりスキャンしポアネットワークモデルを構築することで、実際の多孔体の細孔径分布や空隙の構造を考慮した気相成長過程をシミュレーションすることができたが、X線CTから取得する画像の精度を改善する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り可視化装置を構築し、キャピラリー数などの条件を変えて多孔体と壁面間の排水過程を再現し観察することができ、画像処理によって相分布特性を定量的に評価することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでは気体を注入することによって排水過程を再現しているが、今後は壁面を加熱して相変化によって気相領域が拡大する様子を観察し、相界面で蒸発がある場合とない場合での相界面挙動の比較を行い、熱輸送デバイスを高性能化するために必要な条件を調査する予定である。
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Causes of Carryover |
購入予定の液体ポンプが高額であり次年度の経費と合わせないと購入できなかったため、次年度に購入を持ち越した。
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Research Products
(2 results)