2019 Fiscal Year Annual Research Report
ノックフリー燃焼実現のためのノック発生機構とノック強度決定因子に関する基礎的研究
Project/Area Number |
18K13705
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
永野 幸秀 九州大学, 工学研究院, 助教 (20567060)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ノック / 異常燃焼 / 圧力振動 / ノックフリー燃焼 / ガソリンエンジン |
Outline of Annual Research Achievements |
ガソリンエンジンの熱効率向上には,ノック発生の抑制や制御によるノックフリー燃焼の実現が必要であることから,ノック発生メカニズムおよびノック強度(ノック発生時の圧力振動の強度)に影響を及ぼす因子を明らかにすることが重要である.本研究では,ノックを引き起こす未燃ガスにおける自着火の発生形態やノック強度に及ぼす未燃ガス温度分布の影響を明らかにすることが目的である. 定容燃焼容器内のエンドガス部において,冷炎発生前にエンドガス側の壁面に向かって温度が低くなる温度分布が形成されていることが初年度の定量化シュリーレン法による実験計測によって明らかとなり,この温度分布が激しい圧力振動が生じる条件において観察される伝播火炎付近からエンドガス側の壁面に向かって生じる連続的な自着火の原因となっていることが考えられた.そこで,エンドガスを模擬した1次元数値シミュレーションにより,エンドガス温度分布とエンドガスにおける自着火発生過程について検討した.エンドガス温度については,単純な勾配をつけた温度分布,勾配をつけずに部分的に温度差をつけた温度分布を設定した.単純な勾配をもつ温度分布条件では,エンドガスにおける自着火は着火遅れ時間が短い温度領域から開始し,その後,連続的な自着火となったことから,実験において観察された連続的な自着火は温度分布の影響を強く受けていたものと考えられる.部分的に温度差をつけた温度分布条件については,着火遅れ時間が短い温度領域で自着火が生じ,連続的な自着火はみなれないが,自着火領域が大きくなると圧力振動が大きくなった.エンドガスにおける自着火発生過程は温度分布の影響を強く受け,ノック強度は自着火発生過程と自着火領域の大きさの影響を受けていることが示唆された.
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