2020 Fiscal Year Research-status Report
機械式発話ロボットのためのソフトチューブ式ワイヤ駆動による柔軟舌機構の開発
Project/Area Number |
18K13717
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
遠藤 信綱 東京電機大学, 未来科学研究科, 助教 (30535844)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ソフトロボティクス / 発話ロボット / 舌 |
Outline of Annual Research Achievements |
提案するソフトチューブ埋込方式によるワイヤ駆動柔軟舌機構のための,変形モデル構築用試作機を改良した.区分曲率一定を仮定した変形モデルと同様の変形が可能な設計・製作手法に改良されたことを確認した.その耐久性を実験により評価し,提案手法を用いないものと比べて耐久性が大幅に向上したことを確認した.この成果を1つの国際会議(査読有)にて発表し,受賞した.さらに,前記試作機を改良し,変形モデルと実機との変形形状の誤差が改善されたことを確認した.この成果を日本機械学会の部門欧文学術誌(査読有)に投稿し,採録された. 細径人工筋肉を用いた2自由度の柔軟空気圧湾曲アクチュエータを開発した.用いた柔軟材料の機械的特性を試験した.可塑剤配合比の増加に対し,材料の柔性(ヤング率の逆数)がほぼ線形に増加することを確認した.開発したアクチュエータを線形2次システムでモデリングし,その質量項・減衰項・弾性項・共振周波数を同定実験により求めた.変位と曲率の同時制御系を構築した.これにより,最終年度にて構築する柔軟舌機構の機械的特性を,適用する制御系とともに設計できるようになる.この成果を国際学術誌(査読有)に投稿し,採録された. 上記の柔軟空気圧湾曲アクチュエータについて,柔軟材料の硬さの他に,初期の形状パラメータが変形形状に与える影響を調査した.結果として,区分曲率一定を仮定した幾何学的な変形モデルと実機との変形形状の誤差は無視できないものとなった.この結果より,力学的な変形モデルを構築した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度にソフトチューブ埋込式ワイヤ駆動による柔軟舌機構のモデリングおよび機構配置の決定を終えるつもりであった.しかし,コロナ禍により大学教育に関する多大な変更点や負荷が生じてしまい,これには到達しなかった.ただし,このような状況においても,柔軟舌機構の基礎となるソフトチューブ埋込式ワイヤ駆動機構の試作機を改良することで,区分曲率一定を仮定した幾何学的な変形モデル,即ち,簡易で扱いやすい変形モデルを適用可能な実機の構成方法・設計方法が明らかになった.このことは本研究のアウトプットである柔軟舌機構の性能向上に繋がる.
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Strategy for Future Research Activity |
まず,ソフトチューブ埋込式ワイヤ駆動機構を直列・並列に組み合わせた多自由度機構の試作,機構学的解析,変形試験を行う. 次に,多自由度柔軟舌機構を構築し,発話時調音形状の模擬を行う. また,柔軟物の変形運動の計測・制御手法を構築し,発話時調音運動の模擬を行う.
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Causes of Carryover |
コロナ禍により,国際会議発表のための費用が減少したこと,学術誌への投稿料が大学からの補助で賄えたこと,本研究に取り掛かることができる時間が減ってしまったことの3点が,次年度使用額が生じた主な理由である.この分は,次年度で開発する柔軟舌機構の製作費用に充てられる.
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Research Products
(3 results)