2018 Fiscal Year Research-status Report
Deformation measurement of a thin flexible material using asymmetric conductive patterns
Project/Area Number |
18K13734
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
松野 孝博 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, 研究員 (40815891)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ソフトロボティクス / 薄板状弾性体 / 板ばね / 座屈 / 導電パターン / ひずみゲージ |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の研究では,薄板状弾性体の変形形状を解析的に解き,弾性体に加わる拘束の数と弾性体全体の変形形状を求めるために必要な角度などの計測数を明確にした.また,解析結果を実験的に検証した.実験では,薄板状弾性体の表面に角度計測のためのセンサを理論上必要な最小数のみ取り付け,全体の変形形状を推定する.比較のための真値として,薄板状弾性体を側面からカメラで撮影し,画像処理で全体の変形形状の真値を計測する.実験の結果,解析内容が正しいことを確認し,この結果を国際会議IEEE RoboSoft 2018で発表した. また,本研究の応用例として,柔軟指の側面に導電パターンを設置し,指の変形計測と力の推定を行うシステムを構築した.実際に制作した試作機による実験より,指の変形と把持力の推定が可能であることを確認し,この成果を国際会議IEEE/SICE SII 2019で発表した. さらに,本研究で提案する非対称導電パターンの抵抗値変化を計算するシミュレータの構築を行った.薄板の離散モデルを用意し,その表面に任意の非対称導電パターンを設置する.薄板のモデルの変形に合わせ,導電パターンの抵抗値変化を計算する.そして,その抵抗値から薄板の変形形状の推定を行い,形状の誤差を検証することが可能である.今までの研究内容と本シミュレーションの内容を合わせた英語論文を執筆中であり,来月投稿予定である. これら以外にも,導電パターンを用いた計測の発展形として,柔軟な導電体を用いた近接センサの提案を行った.近接検出の基礎理論の構築や,その過程で必要になる基準値の更新方法などをまとめた.これらを実験的に検証し,研究結果を国際会議IEEE ICRAおよび英語学術誌Robotics and Automation Lettersに投稿し,いずれも採択された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の理論構築と,導電パターンの抵抗値変化から変形形状推定を行うシミュレータの作成は順調に進展しており,成果の発表もできている. 一方で,導電材料の塗布方法などでいくつかの課題点を確認している.最も大きな課題として,導電材料の縮み方向の変形時における抵抗値変化の不安定性である.一般的に導電材料は,引張方向の変形で抵抗値が上がり,圧縮方向の変形で抵抗値が下がる.しかし,板表面に導電材料を塗布した場合,圧縮方向の変形時に導電材料の「しわ」が発生し,抵抗値が上昇する場合があることを確認している. 様々な導電材料やその塗布方法を検証した結果,柔軟性の高い導電材料を初期張力を加えた状態で板に設置することで,この不安定性を回避できることが予想される.今後はこの塗布方法を基本に,非対称導電パターンの塗布方法を実験的に確立する.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では計画の通り,耐ノイズ性向上を目的とした導電パターン形状の最適化プログラムの作成とその検証を行う.現状完成している導電パターンの抵抗値計算と,抵抗値から変形形状を推定するシミュレータに,導電パターン最適化の要素を加えることで最適化プログラムの開発を行う. また,最適化した導電パターンの実際の作成のために,安定した塗布方法を実験的に確立する.まず,柔軟性を有する導電材料を複数購入し,計測値が安定するものを選定する.その導電材料を用いて最適化した導電パターンを作成し,計測精度および再現性についてまとめる. これらの研究成果を国際会議および英語学術誌で積極的に発表していく.
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Research Products
(3 results)