2019 Fiscal Year Annual Research Report
Realization of Noise-less Inverter by Flying Capacitor Linear Amplifier with Multiple Series Connection
Project/Area Number |
18K13739
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
小原 秀嶺 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 非常勤教員 (50772787)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | パワーエレクトロニクス / マルチレベルリニアアンプ / フライングキャパシタリニアアンプ / ノイズフリー / 効率 / 電圧バランス制御 / マルチレベルコンバータ |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は,2018年度の検討結果をベースに,以下の検討を行った。 (1)2018年度に提案したフライングキャパシタの電圧バランス制御の実装方法を改良し,直列素子数に対するスケーラビリティを向上させた。これにより,素子直列数を増やした際にも4直列の場合の拡張として,規則的に実装が行えるようになった。シミュレーション検証により,電圧バランス制御時の効率を直列素子数を変化させて検証した。その結果,12直列で効率90.2%,20直列で効率93.3%,30直列で効率95.2%,40直列で効率95.9%が得られることが分かった。電圧バランス制御におけるキャパシタ電圧の脈動と静電容量の間にはトレードオフ関係があるが,現実的に実装可能な静電容量のフライングキャパシタを用いて電圧バランス制御を行っても,電圧脈動を十分に小さく抑えられることを示した。 (2)4直列フライングキャパシタリニアアンプの試作回路では効率80.6%が実験結果として得られており,シミュレーション結果と高い精度で一致していることを確認した。また,各部の波形にサージが生じておらず,原理的なノイズフリーを達成していることを確認した。クロスオーバーひずみにより,僅かに出力波形にひずみが含まれているのが観測されたが,電圧の全高調波ひずみ率THDの実測値は2.81%で,フィルタを接続せずに系統連系動作を実現できる水準であることを確認した。 (3)これまでの成果を論文としてまとめ,学術論文誌に投稿した。 以上より,フライングキャパシタリニアアンプの多直列化により,スイッチング動作を用いるPWMインバータに迫る効率とノイズフリーを実現する電力変換器が実現可能であることを示した。
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