2018 Fiscal Year Research-status Report
導電性パターンイメージングに基づくチップレスRFID技術に関する研究
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18K13752
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
成末 義哲 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (70804772)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | チップレスRFID / 非接触書き込み / 過電流 / インクジェット印刷 / コイルアレイ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、市販のインクジェットプリンタで実装可能であり、かつ印刷後即時使用可能なチップレスRFID(Radio Frequency IDentifier)技術の確立を目的とする。具体的には、バーコードやQRコードに類した2次元模様の導電性パターンを用いてパターン形状自身に情報を載せ、コイルアレイを用いて近傍磁界により導電性パターン形状をイメージングすることで、情報の取得を行うチップレスRFIDシステムの開発を目指す。 この目的を達成するため、本年度は、ビットを表現する導電性パターンの形状に関して検討を行った。この導電性パターン形状がチップレスRFIDの性能を左右する最も重要な技術である。チップレスRFIDタグにはその名の通り半導体ICが存在しないため、従来のチップレスRFIDでは情報の読み出しこそ可能であるものの、情報はタグ作成時に埋め込む他なく、非接触で情報を書込むことは不可能であった。それに対し、本研究では、近傍磁界を用いて過電流を誘導することにより、導電性パターンの性能劣化を誘発することで、非接触の情報書込みが可能であることを示した。さらに、コイルアレイを用いた情報の読み出し/書込み性能と導電性パターン形状に関するパラメータとの関係を評価し,一部分だけ他より細い区間を有するループ構造の性能が優れていることを明らかにした。これは細い部分で局所的に性能劣化が誘発されることで、書込み性能が向上するためである。得られた導電性パターン形状を用いることで、非接触の情報書込みが可能なチップレスRFIDの実現が可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年5月に特許出願を予定しているため、次年度以降に論文投稿および学会発表を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度得られた導電性パターン形状をもとに、次年度は非接触情報読み出し/書込みが可能なチップレスRFIDシステムを実装し、評価を行う。
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Research Products
(1 results)