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2018 Fiscal Year Research-status Report

透明キューブの回転時の屈折を利用した帰還動作不要な画像スキャニング手法の提案

Research Project

Project/Area Number 18K13762
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

早川 智彦  東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 助教 (10747843)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2020-03-31
Keywordsモーションブラー / スネルの法則 / 透明キューブ / サーボモーター / 高速移動環境 / 光軸制御
Outline of Annual Research Achievements

撮像系において対象との相対速度が生じる状況では,一般的に画像内にモーションブラーが生じ,従来高空間分解能画像を取得するためには,強力な照明による短露光時間撮像や画像処理による復元が必要であった.一方,相対速度の高速化や画像の高分解能化が進むほど対応可能な照明・復元できる情報量は限られる.そこで本研究では,スネルの法則により,アクリルキューブの中を通過する光軸が入射する角度によって平行移動する現象を利用し,キューブを回転させることにより,対象物体が止まっていることと等価な撮像を連続的に可能とする装置の開発を行った.具体的に,申請時の段階で平成30年度は(A)各透明な素材の屈折率による光軸制御量の線形性を算出及び素材の選定,(B)光軸制御量と対応速度の対応関係に関する理論の定式化,(C-1)システムのセットアップとしてカメラ・アクチュエータのPC等の選定及び設置を実施し,これらの項目を達成できただけでなく,平成31年度実施予定であった(C-2)システムのフィードフォワード制御として撮影対象としてベルトコンベアを導入し,任意速度で回転しているベルトコンベアの速度と一致するように予めサーボモーターを設定し,画像の取得を達成することができた.これらの成果を元に,国内学会発表1件(第19回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会,優秀講演賞受賞),国際学会投稿(Focus on Microscopy採録決定,4月発表予定)を行った.課題申請時の目的を達成することができただけでなく,予定を超えた研究内容を実施することができ,対外発表においても成果をあげることができた.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

申請時の段階で平成30年度は(A)各透明な素材の屈折率による光軸制御量の線形性を算出及び素材の選定,(B)光軸制御量と対応速度の対応関係に関する理論の定式化,(C-1)システムのセットアップを実施する予定であった.(A)ではスネルの法則に基づき,数学的に光軸制御量を求める式に対して透明キューブの屈折率を変数として代入し,入射角に対して線形に光軸制御量が変化する素材の選定を行った.結果として,当初想定していたアクリルキューブよりも屈折率の高いシリコンの単結晶であればキューブの回転に対して線形に変位量を得られることがわかった.(B)では光軸制御量を増やすためには透明キューブのサイズを大きくする必要があるため,回転量とトルク値の関係を明らかにし,サーボモーターを導入した.(C-1)ではシステムを開発していくため,高速カメラ,サーボモーター,PC,透明キューブを(A)と(B)の検討結果に基づき選定した.透明キューブをサーボモーターに取付可能な治具を設計し,各配線の接続やカメラとサーボモーターの同期設定完了後,任意速度透明キューブを回転させ,画像取得を行い,精度の検証を行った.これらの項目を達成できただけでなく,平成31年度実施予定であった(C-2)システムのフィードフォワード制御として撮影対象としてベルトコンベアを導入し,任意速度で回転しているベルトコンベアの速度と一致するように予めサーボモーターを設定し,画像の取得を達成することができた.これらの成果を元に,国内学会発表1件(優秀講演賞受賞),国際学会投稿(採録決定,4月発表予定)を行った.そのため,(1)当初の計画以上に進展することができたといえる.

Strategy for Future Research Activity

平成31年度は課題申請時の項目名(C-3)として,システムのリアルタイム画像処理によるフィードバック制御:撮影対象との相対的な移動速度を画像処理により検出し,対象の速度が変化する状況でも静止時と同等の画像撮像が可能かどうか検証する.また,
(D)として,システム利用時における露光時間と空間分解能の検証を実施し,前年度の(C-2)で撮像された画像をもとに,画質低下が生じずに露光時間を延ばすことができるしきい値の検討を実施する.また,算出された値から,露光時間の向上率を計算する.さらに,(C-3) で撮影された画像をもとに,予め寸法のわかるマーカーの画像上の見え方の変化から,本システムのスペック値を算出する.
初年度が計画以上に進展しているため,これらに加え,等速回転時に線形性が得られないアクリルキューブといった既存の素材で線形性が不足している場合において,2つの素材を組み合わせることや2つの透明キューブを用いる手法,または制御量の変化に応じてサーボモーターの加減速を行うアルゴリズムについての検討も実施する.さらに,(A)によりシリコン単結晶がキューブの素材として適することがわかり,可視光を通さない素材であるため,赤外線カメラを利用した実験についても平行して実施していく.
また,これらの研究を成果として,国内学会・国際学会・論文誌へのいずれかまたは複数の投稿を予定する.

Causes of Carryover

初年度が計画以上に進展しているため,元々予定していた物品を使うことなく実験を進めることができた.そのため,使用額が少ない結果となった.また,使用計画として,当初の予定に加え、等速回転時に線形性が得られないアクリルキューブといった既存の素材で線形性が不足している場合において,2つの素材を組み合わせることや2つの透明キューブを用いる手法,または制御量の変化に応じてサーボモーターの加減速を行うアルゴリズムについての検討も実施する際の物品費,旅費等に使用する予定である.さらに,(A)によりシリコン単結晶がキューブの素材として適することがわかり,可視光を通さない素材であるため,赤外線カメラを利用した実験についても平行して実施し,必要な物品を手配していく.また,これらの研究を成果として,当初の予定に加えて国内学会・国際学会・論文誌へのいずれかまたは複数の投稿を予定する際の費用として次年度使用額を使用する.

  • Research Products

    (2 results)

All 2019 2018

All Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] MOTION-BLUR-COMPENSATED MICROSCOPIC IMAGING SYSTEM BY CONTROLLING THE OPTICAL AXIS USING A ROTATING ACRYLIC CUBE2019

    • Author(s)
      Tomohiko Hayakawa
    • Organizer
      Focus on Microscopy 2019
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 回転アクリルキューブによる光軸制御を用いた\\モーションブラー補償システム2018

    • Author(s)
      門脇拓也
    • Organizer
      第19回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会

URL: 

Published: 2019-12-27  

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