2019 Fiscal Year Research-status Report
デュアル光コム顕微鏡を用いたスキャンレス蛍光寿命イメージング法の開発
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18K13768
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
水野 孝彦 徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 特任助教 (70804475)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 蛍光分光 / 蛍光寿命顕微鏡法 / 光コム顕微鏡 / デュアル光コム分光 / 超短パルスレーザー |
Outline of Annual Research Achievements |
デュアル光コム干渉を蛍光寿命イメージングに応用する「デュアル光コム蛍光寿命顕微鏡」の開発を目的としている.これは,光コムが有する超離散コム・モード列を2次元波長分散素子によって空間的に局在させ,さらにデュアル光コム干渉によってモード毎に固有のRFビートを付与することで,スキャンレスにフルフィールドの蛍光寿命イメージングを実現するものである.本提案手法は機械的走査が不要であり,2次元時系列過渡応答画像の高速取得が期待できる. 昨年度までに,本提案手法に基づいた蛍光顕微鏡の実装を完了している.これを受けて本年度は,デュアル光コム干渉に起因するRFビートの位相測定による蛍光寿命イメージング法を確立した.デュアル光コムのRFビートの位相を測定に利用するためには,2台の光コムの同期が必須である.また,たとえ2台を同期制御したとしても僅かな揺らぎが残留するため,蛍光寿命測定に必要な位相測定の繰返し精度を得ることは難しい.これを改善するために,基準位相参照を行うリアルタイム補正法を開発した.補正をかけることで必要な繰返し精度を確保した. 次に,蛍光標準試薬とテストチャートマスクを組合せたサンプルを対象に蛍光寿命イメージング実験を行った.試料をローダミン6GとローダミンB,および複数の溶媒の組み合わせとし,既知の蛍光寿命値で蛍光寿命画像が取得できることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
機械的駆動を排除した蛍光寿命顕微鏡の開発と原理検証実験までを終了している.当初の研究計画通り順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
本提案手法の生体イメージング利用に向けた性能評価を行う.具体的には,蛍光寿命弁別イメージングの検証と,全視野共焦点性の付与について検証する.その後,生体イメージングについて応用検証を行う.
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Research Products
(4 results)