2018 Fiscal Year Research-status Report
カルバック・ライブラー制御を用いた超小型クワッドロータの自律群飛行
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18K13782
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
本仲 君子 関西大学, システム理工学部, 助教 (70781772)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 障害物回避 / 動作計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,カルバック・ライブラー(Kullback-Leibler: KL)制御に基づき多数の小型クワッドロータの自律群飛行制御を実現することを目的としている.初年度である2018年度は,複数のクワッドロータが個別に自律飛行する環境を想定し,相互衝突回避のためのアルゴリズムについて検討した.まず,バッファを持つボロノイ分割(buffered Voronoi cell: BVC)に基づいた相互衝突回避のためのアルゴリズムをシミュレーション上で複数台のクワッドロータに対して適用し,その有用性を検証した.検証の結果,BVCに基づく相互衝突回避アルゴリズムは,理論的には相互衝突回避が可能であることが確認されたが,動力学を考慮したより実際に近いシミュレーションにおいては,条件によっては相互衝突が生じることを確認した.次に,この相互衝突を防ぐため,BVCのバッファを可変とする拡張手法を提案し,同様にシミュレーションにおいて検証した.その結果,バッファを可変とした場合には,相互衝突の可能性が低減されることが確認できた.同時に,Kinectを用いてクワッドロータのリアルタイム位置計測環境を構築し,実機実験の準備を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度は,当初の予定通り1台のクワッドロータの自律飛行を目標とし,指定された目標位置まで障害物を回避しながら移動するためのアルゴリズムについて検証した.特にBVCに基づく相互衝突回避アルゴリズムに着目し,動力学シミュレーションによりその効果を確認した.一方で,条件によっては相互衝突が生じることが確認されたため,BVCのバッファを可変とする拡張手法を提案し,相互衝突の可能性を低減できることを確認した.以上より,研究はおおむね順調に進展していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,BVCのアルゴリズムにおいて機体速度を考慮した拡張を検討する.また,シミュレーションにおいて各クワッドロータの可視範囲を制限し,より実際の状況に近い状態でアルゴリズムの有効性を確認したうえで,必要であれば手法の拡張を行う.同時に,実機実験を予定している.また,単独自律飛行と並行し,複数台のクワッドロータが協調して自律飛行を行なうための手法についても検討する.
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Causes of Carryover |
学会計画の変更により,使用額が当初予定より少なかった. 今後の使用計画としては,2019年夏に開催される国際シンポジウムの渡航費,シミュレーションおよび実機実験のための機器購入,論文公開費用に使用する予定である.
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