2019 Fiscal Year Annual Research Report
Studies on diamond on-chip optical circuit for quantum computing
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18K13787
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
稲葉 優文 九州大学, システム情報科学研究院, 助教 (20732407)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ダイヤモンド / 誘電泳動 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、ダイヤモンド基板上光導波路構造作製技術に関して研究を遂行した。 2019年度は、代表者の異動に伴い、ダイヤモンドNVセンタの観測に関する研究は一旦中断し、ダイヤモンド微粒子を交流電界印加により樹脂中で整列させることによって、1次元的な鎖状構造(パールチェーン)を形成し、整列方向の熱伝導率を向上させる研究に取り組んだ。パールチェーン上のダイヤモンド微粒子は、光導波路として働く可能性がある。 誘電体微粒子を不平等電界中に置くと、微粒子の分極により、微粒子を動かす誘電泳動力が発生する。ダイヤモンドは絶縁体であるが、溶液との界面に電気伝導層が形成され、これによって誘電泳動力が働く。この基礎特性を取得するため、交流電界を不平等電界を発生できるキャッスルウォール電極を用いて、塩化ナトリウム水溶液に分散したダイヤモンド微粒子の挙動を確認した。結果として、ダイヤモンド微粒子を誘電泳動力により配列できる可能性を見出した。本研究成果はJapanese Journal of Applied Physicsに掲載された。 また、不平等電界を印加できる櫛歯電極構造を用いて、樹脂中に垂直方向にダイヤモンド微粒子を整列させたシートを作製した。これは、発熱体とヒートシンクの間の隙間を埋める放熱シートを想定して作製し、その熱伝導率を定常比較法で評価した。結果として、電界印加により、熱伝導率は1.1~1.5倍程度向上した。ただし、重力などの影響で、ダイヤモンド微粒子が垂直方向に適切に整列していない可能性があり、今後の調査が必要である。
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Research Products
(12 results)