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2018 Fiscal Year Research-status Report

微細な電極を有する印刷型有機トランジスタの高性能化と集積回路応用

Research Project

Project/Area Number 18K13797
Research InstitutionYamagata University

Principal Investigator

竹田 泰典  山形大学, 有機材料システム研究推進本部, 助教 (40805636)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2020-03-31
Keywordsプリンテッドエレクトロニクス / 反転オフセット印刷 / 高精細印刷 / 有機トランジスタ / 表面処理
Outline of Annual Research Achievements

平成30年度の研究では、「高精細な印刷法を用いて小型で高性能な有機集積回路を作製」に向けて高精細な印刷が可能な反転オフセット印刷法での電極形成・性能評価に着手した。これまで、電極形成のための印刷法としてインクジェット印刷法を用いて、集積回路作製プロセスの構築を検討してきた。その結果、印刷型電極を用いても良好に動作する相補型有機集積回路が実現可能なことを見出し、低電圧で駆動することが分かっている。平成30年の研究では、印刷型電極の表面状態が有機トランジスタの特性に及ぼす影響を明らかにし、電極表面処理による有機トランジスタの特性改善を検証した。はじめに、反転オフセット印刷法により微細な電極を形成するための、銀ナノ粒子インク材料の選定及びブランケットの選定を行った。印刷の再現性が高いインクを選択することで15/5μmを安定的に実現可能な材料と印刷条件を決定した。銀ナノ粒子インクにはその分散性や安定性を高めるために、様々な有機物が含有されており、電極焼成中に表面へ析出していることが考えられる。そこで電極表面分析として①Photoelectron Yield Spectroscopy(PYS)での仕事関数の解析、②接触角測定により表面エネルギーの測定を行った。さらに四端子測定により、電極表面処理によるコンタクト抵抗の違いとトランジスタ特性を観測した。電極形成後の表面処理として、IPA洗浄とプラズマ処理を検討し、この時、測定されたコンタクト抵抗値は、インクジェット印刷によって形成された電極に比べて、非常に高い値であった。これは、印刷性を向上させるために、インクジェット印刷用のインクに比べて多くの有機物が含有されているためであると考えられる。得られた有機トランジスタの移動度は高分子半導体を用いた場合で、0.1 cm^2/Vs以下となっており改善する必要がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究では、「高精細な印刷法を用いて小型で高性能な有機集積回路を作製とアレイ化による新しいデバイスの実現」を目標として研究を進めている。平成30年度には、高精細な印刷法として、反転オフセット印刷法を選択し、適用する銀ナノ粒子インクやブランケットなどの選定をまず行った。これにより従来の有機薄膜トランジスタの作製に使用されるフォトリソグラフィに迫る解像度である線幅/線間隔15/5μmの電極を安定的に作製可能になった。さらに電極表面の最適化として、YPSによる仕事関数測定を行った。これにより、通常の焼成(加熱のみ)では電極表面への有機物の析出や酸化膜の形成が生じ、電極から有機半導体への電荷注入がスムーズに行われないことが予測された。実際に、この高精細な電極を用いて四端子デバイスを作製し、コンタクト抵抗を算出したところ、表面処理がない場合では、非常に高いコンタクト抵抗があることが分かった。また、IPA洗浄やプラズマ処理によりそれが低減可能なことを見出した。高精細な印刷が可能な反転オフセット印刷に用いられる銀ナノ粒子インクには、インクジェット印刷用のインクに比べて多くの印刷性向上のための有機材料が含有されていることが分かる。この時の移動度を算出したところ、高分子半導体において0.1cm^2/Vsと低い値となったが、コンタクト抵抗を低減することが大幅な改善が見込まれる。
同時に進めていた相補型集積回路作製プロセスの構築では、インクジェット印刷法を用いて同一平面上にp型/n型有機薄膜トランジスタの形成が可能になり、簡便な集積回路作製プロセスを構築することができた。この作製プロセスについては、学術論文誌に投稿し掲載された。
以上、本研究における目標に向け、着実に研究が進展しており、目標値に届いていないものの改善の指針が得られていることから、おおむね順調に進展していると判断する。

Strategy for Future Research Activity

平成31年度は、本研究最終年度の目標である「高精細な印刷法を用いて小型で高性能な有機集積回路を作製とアレイ化による新しいデバイスの実現」に向け、コンタクト抵抗の低減、有機トランジスタの高性能化、集積回路応用を行う予定である。研究の計画時には、移動度1cm^2/Vsを目標としていた。平成30年度の研究において、コンタクト抵抗の低減プロセスの指針を得ることに成功したため、現在はその電極表面処理プロセスの更なる最適化に取り掛かっており、また新しい電極処理プロセスについても検討を始めている。これらの研究を進め、目標値の達成を実現する。
また、既に、集積回路を作製するための印刷版の設計に既に取り掛かっており、事前に検討している版では良好な電極パターニングに成功している。有機薄膜トランジスタの性能向上と集積回路応用を行い、新しい電子デバイスの構築準備を整える。また、現状において得られている成果を国内外の学会、学術誌を通して発信し、オペアンプアレイを用いたデバイスなど、重要な成果は特許取得やマスコミを通して社会・国民に発信する。

  • Research Products

    (4 results)

All 2019 2018

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] Printed Organic Complementary Inverter with Single SAM Process Using a p-type D-A Polymer Semiconductor2018

    • Author(s)
      Yasunori Takeda, Tomohito Sekine, Rei Shiwaku, Tomohide Murase, Hiroyuki Matsui, Daisuke Kumaki, Shizuo Tokito
    • Journal Title

      applied sciences

      Volume: 8 Pages: 1331

    • DOI

      https://doi.org/10.3390/app8081331

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 均一なチャネル長を有する印刷電極を用いた塗布型有機トランジスタの特性ばらつき評価2019

    • Author(s)
      竹田泰典、逸見悠大、山崎錬、圓岡岳、村瀬友英、 関根智仁、松井弘之、熊木大介、時任静士
    • Organizer
      第66回 応用物理学会春季学術講演会
  • [Presentation] 電極処理不要なp型高分子半導体を用いた相補型リングオシレータ回路2018

    • Author(s)
      竹田泰典、塩飽黎、村瀬友英、関根智仁、 松井弘之、熊木大介、時任静士
    • Organizer
      第79回 応用物理学会秋季学術講演会
  • [Presentation] Organic Complementary Integrated CircuitsFabricated with Reverse Offset Printed Electrodes2018

    • Author(s)
      Yasunori Takeda, Kazuma Hayasaka, Rei Shiwaku,Susumu Morita, Tomohito Sekine, TomokoOkamoto, Yasuhiro Tanaka, Hiroyuki Matsui,Daisuke Kumaki, Kousuke Tanabe, Shizuo Tokito
    • Organizer
      First International Conference on 4D Materials and Systems
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2019-12-27  

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