2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Dynamic Model Generation Method and Its Reliability Evaluation Method for Urban Disaster Simulation
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18K13817
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Research Institution | Kajima Technical Research Institute, Kajima Corporation |
Principal Investigator |
飯山 かほり 鹿島建設株式会社(技術研究所), 土木構造グループ, 上席研究員 (90711870)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | モデル自動構築 / 橋梁モデル / 建物モデル / 点群データ / 微動観測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究でいう「縮約型モデル」は,デジタル都市を基盤とした統合型被害推定・予測に用いるものであり,このモデルを適用した物理シミュレーションによる応答評価が適切であることが重要である. 昨年度までに,設計図面等のデジタルデータが存在しない場合を念頭に,橋梁の長さ,道路の属性・幅員情報,地域特性,道路標高,地盤標高など断片的なデータのみを用いた縮約型3次元モデルの自動生成アルゴリズムを開発したため,本年度はこのモデルで感度分析を行った.結果は当然であるが,線形応答については全体重量設定とバネ設定は最重要であり,言い換えれば,固有振動特性を精度よく再現できるようなものであれば,縮約モデルでも十分に精緻なモデルの応答を再現できる.なお,偏心が大きな構造物でなければ,所謂「串団子モデル」でも十分に良好な精度で応答を再現できる. 一方で,損傷判定については耐力設定に依存するが,これは設計値でしか得ることが難しく,今後の課題として残される.固有振動特性を精度よく再現するために,橋梁では例えば微動観測の適用が考えられる.これを踏まえ,微動観測記録に基づいて同定された振動モードが設計値とどの程度整合するかを検討するため,単径間~5径間の単純な形状の橋梁を対象に,上部構造重量,支承バネ,下部構造形状を設計値と整合させることによって,1次および水平2次モードまでは概ね同様な挙動を得られることを確認した.ただし,ここでいう1次は,水平2方向上下1方向の各成分の1次を指す. また,建物については高さと固有周期の依存性が定式化されており,観測が難しい場合でも高さを精度よく把握できることが縮約モデルの精度向上に役立つ.近年では航空レーザ計測等から広く点群データが取得されているため,この点群データとオープンソースのGISデータを利用して建物高さを精度よく推定する手法を構築した.
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