2020 Fiscal Year Annual Research Report
Phosphorus recovery and biogas production from sewage sludge using phosphorus adsorption membrane
Project/Area Number |
18K13860
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
羽深 昭 北海道大学, 工学研究院, 助教 (30735353)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 嫌気性消化 / メタン発酵 / リン吸着剤 / リン回収 / 嫌気性膜分離 / AnMBR / 下水汚泥 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、応募者が独自に開発したリン吸着膜を下水汚泥の消化プロセスに適用することで、下水汚泥からのリン回収およびバイオガス生成を同時に達成する新規資源回収型消化プロセスを構築することである。 2020年度はリン吸着膜ろ過ユニットを組み込んだ嫌気性消化リアクターの運転を行った。期待通り、固液分離と溶存態リンの吸着が同時に達成されたが、リン吸着が破かし、長期連続的なリン吸着回収は行えなかった。そこで、膜ろ過水に懸濁物質が含まれていないことを生かし、後段にリン吸着カラムを接続し連続運転を行った。その結果、有機物分解の指標となるVS分解率はHRTの短縮とともに増加し、HRT19日で66%となった。これは消化槽内の固形物濃度が高まり、菌体濃度も高まったためだと考えられる。バイオガス生成速度は有機物負荷の増加とともに増加し,最大で0.123 L/L/日となった。リン溶出率は完全混合式で最も高く、22%であった。運転期間全体でのリン溶出率は14%であった。 消化槽内全リン濃度は260~590 mg-P/Lの範囲で推移した。膜透過水中リン酸イオン濃度は平均で75 mg-P/Lであり、カラム透過水中リン酸イオン濃度はカラムが破かする162日まで定量下限値以下であった。この期間はリン除去率も97%以上で維持された。リン吸着剤からリンを脱着させ再び吸着に使用したが、リン吸着性能は維持され、繰り返し利用性が示された。リンの脱着効率は80%であったため、投入した下水汚泥中の全リンのうち14%が溶出してリン酸イオンとなり、そのうちの80%を高濃度のリン酸溶液として回収できた。
|