2018 Fiscal Year Research-status Report
Study on Evaluation Technique of Carbonation Resistance with Concrete Using Various Mixture Materials
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18K13869
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
秋吉 善忠 大分大学, 理工学部, 助教 (40713467)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 中性化 / 混和材 / フライアッシュ / 高炉スラグ微粉末 / 吸水性 / 透気性 / 鉄筋腐食 |
Outline of Annual Research Achievements |
フライアッシュ(FA)および高炉スラグ微粉末(BFS)を用いたコンクリートの中性化抵抗性を評価することを目的として、定期的に吸水をさせたコンクリート供試体を用いて促進中性化試験、トレント法による透気試験、3層式チャンバーを用いた吸水試験を行った。 コンクリートの調合について、基準コンクリートの水セメント比は40,50,60および70%とした。混和材を用いたコンクリートでは、混和材の強度寄与率を考慮した有効水結合材比が50%の水準において、FA置換率は10,20,30%、BFS置換率は25,50%とし、比表面積の異なるFA 2種類(JISⅡ種相当)およびBFS2種類(4000および6000ブレーン)を使用した。試験体は、打設後1日で脱型し、材齢28日まで標準養生を行い、その後28日間気中養生を行い暴露した。促進中性化試験では100×100×400mmの角柱を作製し、側面を除く4面を暴露開始前にアルミテープでシールした。透気試験および吸水試験では200×200×60mm平板を作製し、打設面および底面を除く4面をアルミテープでシールした。中性化促進試験は、20℃、RH60%、CO2濃度5%とし、1週間に1回、供試体の側面を24時間吸水させた条件についても検討した。中性化深さの測定は促進期間1、4、13週で、透気および吸水試験は、暴露開始前、促進期間4、13週で行った。実験は継続中であり、促進期間26週においても試験を実施する予定である。 本研究は、主に建築構造物の躯体材料として使用されている鉄筋コンクリートについて、環境負荷の低減や、アルカリシリカ反応の抑制、遮塩性の向上などが図れるFAおよびBFSを用いた場合の中性化抵抗性を定量的に評価すること目的としており、これら混和材を用いた鉄筋コンクリート構造物の中性化抵抗性に対する耐久性照査を行う上で必要な基礎資料となりうる研究である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、代表的な混和材であるFAやBFSを用いたコンクリートの中性化抵抗性を評価することを目的としており、①定期的に吸水させた供試体を用いたコンクリートの促進中性化試験、②鉄筋を埋設したコンクリートを用いた鉄筋腐食試験、③各試験片を用いた細孔径分布測定および示差熱重量分析の実施、④関連する既往の研究データの収集を行い、⑤得られたデータを用いて各種混和材の中性化抵抗性に対する貢献度の定量的な評価を行う予定である。 H30年度では、当初の予定通り、①に関してコンクリートの打設を行い、促進中性化試験、透気試験および吸水試験を実施した。②については、試験体サイズも大きくなることから、①の実験結果に基づいて、調合条件を絞り次年度に実験を行うこととした。③については、①の試験体から試験片を随時採取しているところであり、促進期間26週の試験を終えた時点で各種測定を行う予定である。④については、対象となる既往の文献を整理中である。 以上、概ね当初の計画に従って実験を遂行したが、②の実験については上記の理由により多少遅れが出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)H30年度に実施した実験結果の整理および考察等を行い、論文発表を行う。なお、前述した①の実験について、当初予定していた調合条件において未実施の水準があること、また透気試験および吸水試験でデータにばらつきが見られたこと等を踏まえて、R1年度に実施する②の実験と合わせて、①の補足実験についても実施する。 (2)①で得られた結果に基づいて②の鉄筋腐食実験で用いる調合条件を決定し、コンクリートの打設実験および各種試験を実施する。かぶり厚さは5~40mmで3水準設定し、暴露条件は促進と自然暴露の2水準とする。なお、促進条件は①のものと同一とするが、鉄筋の腐食状況等を考慮して、より厳しい条件についても必要に応じて検討する。 (3)③について、①の実験の試験片について、中性化部分と、未中性化部分でサンプルをそれぞれ採取し細孔径分布の測定を行い、調合条件や中性化がコンクリートの組織構造に与える影響を調べる。また示差熱重量分析も合わせて行い、FAのポゾラン反応による水酸化カルシウムの消費量等を調べ、混和材の水和反応が細孔構造や中性化抵抗性に与える影響を調べる。 (4)④抽出した文献から関連するデータを収集する。また、⑤の分析・評価に備え、実験および既往文献から得られたデータの整理を進める。
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