2019 Fiscal Year Research-status Report
Study on Evaluation Technique of Carbonation Resistance with Concrete Using Various Mixture Materials
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18K13869
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
秋吉 善忠 大分大学, 理工学部, 助教 (40713467)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | フライアッシュ / 高炉スラグ微粉末 / 中性化 / 吸水性 / 透気性 / 鉄筋腐食 / 自然電位 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,フライアッシュ(FA)および高炉スラグ微粉末(BFS)を用いたコンクリートの中性化抵抗性を明らかにすることを目的としている。昨年度に引き続き、促進中性化試験中に定期的に吸水させた供試体を用いて,中性化深さ,透気係数および吸水速度係数を調べ,材齢28日強度が同等の場合で比較した。その結果、(1)~(4)の知見が得られた。 (1)FAを用いたコンクリートの中性化速度係数は定期吸水させた場合にプレーンコンクリート(PL)と同等となる。BFSを用いたコンクリートの中性化速度係数は,比較的低い強度の場合にはPLより大きいが,材齢28日強度が40~45N/mm2程度以上では同等となる。 (2)混和材を用いたコンクリートの透気係数は,促進期間4週では,FAを用いた場合にPLと同等以下,BFSを用いた場合に同等以上の値を示す。また,促進期間が長くなると強度が高い場合に透気係数は全体的に小さくなる傾向を示す。 (3)混和材を用いたコンクリートの吸水速度係数は,促進中性化期間4週ではPLと同等か大きくなる傾向にあるが,26週では同等である。 (4)コンクリートの中性化速度係数はFAおよびBFSの有無に関わらず表面吸水試験から得られる吸水速度係数により評価できる可能性がある。 また、上記の実験とは別に、中性化による鉄筋腐食抵抗性を評価することを目的として、鉄筋を埋設したコンクリート供試体を作製した。PLの水セメント比は45,55,65%の3水準、FA置換率は15、30%、BFS置換率は50%とした。水中養生期間は28日および91日の2水準、コンクリートのかぶり厚さは10mmおよび30mmの2水準とし、定期的に自然電位を測定し腐食状況を調べている。さらに、混和材を用いたコンクリートの実環境における中性化抵抗性を把握することを目的として、国内における既往の研究データの収集を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、代表的な混和材であるFAやBFSを用いたコンクリートの中性化抵抗性を評価することを目的としており、①定期的に吸水させた供試体を用いたコンクリートの促進中性化試験、②鉄筋を埋設したコンクリートを用いた鉄筋腐食試験、③各試験片を用いた細孔径分布測定および示差熱重量分析等の実施、④関連する既往の研究データの収集を行い、⑤得られたデータを用いて各種混和材の中性化抵抗性に対する貢献度の定量的な評価を行うことを目標としている。 R1年度では、当初の予定通り、①に関してH30度に作製したコンクリートの長期における各種試験データを収集し、促進試験における中性化抵抗性を評価した。②については、①の実験結果に基づいて、調合条件を絞り鉄筋を埋設したコンクリート供試体を作製し、屋外の暴露実験を開始するとともに、促進期間中に定期吸水させた供試体を用いて自然電位の測定を行った。③については、①および②の供試体から採取したサンプルを用いて細孔径分布および示差熱重量分析を実施しているところである。④については、対象となる既往の文献の約7割を収集し終えたところである。 ⑤については、①~④で得られたデータを用いて、次年度検討する予定である。 以上より、概ね当初の計画に従って実施できている。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)①および②の実験について、長期のデータを収集する。また、②鉄筋腐食に関する実験について、自然電位のみの評価となっているため、電気抵抗に関する実験についても合わせて実施する。 (2)実環境におけるデータが不足しているため、暴露期間10年のFAコンクリート供試体や、実構造物について調査を行う予定である。 (3)③について、細孔径分布の測定等を行い、混和材を用いたコンクリートの調合条件や中性化がコンクリートの微細構造に与える影響を調べる。 (4)④について、引き続き既往の研究データを収集し、①~④で得られたデータの整理を進める。それらのデータを用いて、混和材を用いたコンクリートの中性化抵抗性の定量的な評価を試みる。
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Research Products
(3 results)