2018 Fiscal Year Research-status Report
A Study on design method of durability for sealant taken in consideration of stress during movement occur
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18K13873
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
石原 沙織 千葉工業大学, 創造工学部, 准教授 (00589046)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | シーリング材 / 耐久性 / 防水 / ムーブメント / 促進劣化試験 / 応力緩和 / 凝集破壊 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、各環境下におけるシーリング材の劣化のメカニズムを定量的に明らかにし、シーリング材の新たな耐久設計法を提案することを目的としている。外壁の目地に充填するシーリング材は、気象とムーブメントの複合作用により劣化が進行する。一般的には紫外線量が多く、外気温が高い南方で劣化が早まると考えられているが、既往の研究で行われた10年間の動暴露試験結果より、寒冷地で劣化が卓越する場合がある事が明らかとなった。これは従来の常識を覆す結果であった。そこで本研究は、(1)寒冷地で劣化が著しくなる現象を促進的に再現させる実験(促進試験方法の開発)、(2)温度変化と目地の動きを同期させた状態での、シーリング材の応力測定装置の開発、(3)実験結果を基にした、寒冷地で劣化の著しかった劣化メカニズムの解明、(4)上記メカニズムを踏まえた、シーリング材の新しい耐久設計法の提案の4項目を中心に進めるものである。 2018年度は、上記の(1)と(2)について研究を進めた。まず(1)についてであるが、気象で劣化因子となるものは、紫外線,気温,水分である。これにムーブメントを与えると動暴露試験状況と同様の状況となるのだが、一般的な促進試験機内でムーブメントを与えるのは困難である。そのため気象による劣化を促進試験機で与え、ムーブメントによる劣化は手動で与える方法を採り、動暴露試験状況に近似した状況を再現する試験方法について検討を行った。次に(2)についてであるが、繰り返しのムーブメントを発生させた際のシーリング材の応力測定装置を開発した。現段階ではまだ装置自体に課題はあるものの、応力緩和率の異なるシーリング材を用い、40℃、23℃、-20℃の環境下で、それぞれムーブメントを与えた際の応力状態を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験も順調に進んでおり、当初計画通りに遂行できている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は2018年度に作製した応力測定装置の改良を行い、更にいくつかの水準での実験を行い、応力状態と損傷の関係を明らかにする予定である。更に得られた実験結果を基に、既往の研究の動暴露試験で得られた劣化の地域差について、その劣化メカニズムを検討し、不具合の少ないシーリング目地を実現するための耐久設計法の提案を目指す。
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Causes of Carryover |
2018年度では応力測定装置の開発に時間を要し、当初計画していた台数の製造が行えなかった。そのため改善策を講じ、計画していた台数の製造を行うべく、現在研究を推進中であり、次年度使用額はそれに充てる。
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