2018 Fiscal Year Research-status Report
Model-based fault detection and diagnosis of HVAC systems
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18K13879
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
林 鍾衍 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (90773391)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 異常検知診断 / 空調熱源システム / 深層学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「空調熱源システムの長期高効率運用のための異常検知診断モデルの開発」と題して、本来のシステム性能を発揮させた上で得られたデータに基づき正常状態のシステム挙動を定義するとともに、そこらからのずれよりシステム異常を検知、またその原因を診断することで、性能低下によるエネルギー効率低下や稼働停止等のリスクの削減を図る取り組みである。異常検知のためにはまずシステムの本来の性能を把握することが優先されるべきである。当該年度には比較的シンプルな空調熱源システムの対象とし、そのシステム全体の挙動に対する再現度の高い物理モデルを構築した。そのシミュレーションを用いて、7種類の異常ラベル付きデータセットを作成し,これを異常データベースとして学習データ・テストデータを用意した。次にこのデータベースを詳細に分析し,システム挙動の異常が合理的に再現できているか確認した。そして,従来のニューラルネットワークに対して高い性能を発揮できる深層学習の代表的な手法である畳み込みニューラルネットワーク(以下、CNN)に作成した学習データを与え、学習したCNNに作成したテストデータと実際の計測データを入力することで,CNNによる異常検知診断を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究計画通り進展しており、その成果として、国内学会発表論文4本、海外発表論文3本、また雑誌論文も1本が掲載されている。概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
シミュレーションより模擬されたシステムの異常挙動に対しては、その検知・診断の結果が優れたものの、実際の計測データに対する結果は改善の余地があった。もちろん、現状の手法からも相対的に発生可能性の高い異常を絞り込むことはできるが、模擬データに対する結果より性能は低い。その原因としては,シミュレーションのモデル化の限界によるシミュレーションと実システムとの乖離や、実システムには今回検討した以外の異常が含まれている可能性が挙げられる。実システムでの本手法の適用のためには、データベースの拡張や、圧力損失係数といった実システムとシミュレーションの間の避けられない乖離を修正する手法の開発といった課題が挙げられる。
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Causes of Carryover |
確認ミスとり少し残高が発生した。次年度に消化する予定である。
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Research Products
(8 results)