2018 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of respiratory exposure mechanism targeting rat, monkey, human based on the environmental fluid engineering technique
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18K13880
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
劉 城準 九州大学, 総合理工学研究院, 助教 (30783394)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | PTV / CFD / 経気道暴露 / 室内空気質 / 吸入毒性 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度(H30年度)の具体的な実施状況を以下のように報告する. 1) 実人体ならびに人体サロゲート動物を対象とした気道内3次元形状データの作成 : コンピュータ断層撮影法(CT)による3次元データ(DICOM)を基に,ラット・サル・人体の鼻腔から気管・気管支までの詳細幾何形状を抽出し,汎用的な3D-CAD用書式(STL)で形状データを作成した.まず生体情報の取得には,CT (マルチスライスコンピュータ断層撮影)を用い,一連の画像データ(DICOMデータ)より,CT値150にて対象箇所を抽出した.その後,DICOMデータの読み込みが可能な医療用画像処理ソフトであるMimics 4.0 (Materialise)にてCT画像の3次元化とSTLファイル形式での出力を行い,続いてCADとプリプロセッシング機能を有する生体工学用ソフトである3-matic (Materialise)にて気道の表面幾何形状のスムージング処理,流体解析用ジオメトリの作成を行った. 2) 3次元形状データを基にしたアクリル製気道モデルの作成 : 上記1)にて準備した気道のジオメトリデータ及び3Dプリンタを使用し,ラット,サルならびに人体の3種類の透明アクリル製気道モデルを作成した. 3) 3次元形状データを基にした数値気道モデルの作成 : 上記1)にて準備したラット・サル・人体気道のジオメトリデータを流体解析用のメッシュ生成ソフト(ANSYS Meshing)にて読み込み,最終的な数値流体解析用メッシュデータを生成した.粘性低層内の予測精度向上のために壁面近傍には複数層のプリズムメッシュを作成し,その他の領域にはテトラメッシュを使用した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始年度(H30)の当初の計画とおり,3つの具体的目標に向いておおむね順調に進展している.現在,次年度以降の研究遂行のために実験や数値解析のための準備に取り組んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
H31・R01年度の目標 : 気道内速度場・温度場を対象とした高空間・高時間分解能3次元可視化計測技術の確立 1) アクリル製気道モデルを対象として,粒子像追跡流速計PTVにて気道モデル内流れ場の可視化計測を行う.作動流体としてポリタングステン酸ナトリウム水溶液ならびにヨウ素水溶液を用い,複雑アクリル形状に起因するレーザーの屈折を抑制する手法を確立する. 2) 高速度カメラと受光光学系としてシリンドリカルレンズを組み合わせた高空間・高時間分解能を有する3次元計測技術を確立する.球形のトレーサ粒子はシリンドリカルレンズを介すことで歪んで撮影される. 3) 感温塗料(TSP)を吸着させたトレーサ粒子を用い,UVレーザーによる燐光を計測することで温度分布を同時に計測する実用的な手法を確立する.また,トレーサ粒子サイズ(粒径・密度)を段階的に変化させた実験を行うことで,気道内の粒子輸送現象に関する基礎的実験データも蓄積する.
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