2019 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of respiratory exposure mechanism targeting rat, monkey, human based on the environmental fluid engineering technique
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18K13880
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
劉 城準 九州大学, 総合理工学研究院, 助教 (30783394)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | PTV / CFD / 経気道暴露 / 室内空気質 / 吸入毒性 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究次年度(R1年度)の具体的な実施状況を以下のように報告する. 1) 気道内速度場・温度場を対象とした高空間・時間分解能3次元可視化計測技術の確立: 研究初年度に作成した実人体ならびに人体サロゲート動物のアクリル/シリコン製気道モデルを対象として,粒子像追跡流速計PTVにて気道モデル内流れ場の可視化計測を行った.作動流体としてポリタングステン酸ナトリウム水溶液ならびにヨウ素水溶液を用い,複雑形状に起因するレーザーの屈折を抑制する手法を確立した.同対象領域におけるCFD解析結果との比較を行い,計測制度を検討した.球形のトレーサ粒子の動きをシリンドリカルレンズを介すことで歪んで撮影した. 2) 数値気道モデル(ラット,サルならびに人体)を対象としたCFD解析: 研究初年度に作成した実人体ならびに人体サロゲート動物の数値解析用気道モデルを対象とし,定常流れ場の解析を実施した.解析格子依存性の詳細検討を実施した上で,PTV測定結果と比較を行い,最適のメッシュデザインを決定した.粘性低層内領域を詳細に解像するために厚さ0.1ミニの押出メッシュを10層作成し,粒子の沈着・脱着における予測精度を確保した.各モデルの気道内,特に鼻腔内の複雑形状に起因した複雑な気流性状が確認出来,嗅覚器官付近の領域では滞留域の形成も確認できた.各気道モデル内の流れ場解析結果は,ガス状・粒子状汚染物質の輸送解析の基礎情報として使用可能であることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究次年度(R1)の当初の計画とおり,目標に向いておおむね順調に進展している.現在,最終年度の研究遂行のためにエアロゾル粒子の気道内輸送解析のために境界条件の整備などの準備に取り組んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
1)エアロゾル粒子を対象とした鼻腔内濃度場解析手法の開発:CFD解析による流れ場解析結果を基に,Euler- Lagrange系のエアロゾル粒子濃度分布解析を実施する.また,検証済みの乱流モデルと統合したLagrange粒子追跡モデルを開発する. 2)アクリル製気道モデル内の微粒子拡散・気道内沈着の可視化計測:アクリル製モデルの内壁面にワセリンを塗布した条件で,気道内の粒子沈着実験を実施する.気道内のOne-Pass除去率,鼻腔内での不均一沈着量分布ならびに気道内各部位の沈着量を計測し,鼻腔内での粒子沈着モデルの開発及びモデル定数同定に使用する. 3)測定結果の2Dマッピング手法の開発と研究成果の纏め:テクスチャマッピングの技術を適用し,3次元情報を2次元のデカルト座標面に投影する2Dマッピング手法を開発する.最終的にはサロゲートモデルと人体の気道内解析結果を定量比較し,研究データをWEBなどにより公開する.
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