2019 Fiscal Year Research-status Report
子育てコミュニティの構築に資する保育施設整備・運営の方法
Project/Area Number |
18K13891
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
後藤 智香子 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任講師 (70738351)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 保育施設 / 施設整備 / 子育てコミュニティ / 反対運動 / まちづくり |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、子ども・保育者・保護者・地域が共に育ち合う「子育てコミュニティ」の拠点として保育施設を捉え、子育てコミュニティの構築に資する保育施設整備・運営の方法を解明することを目的としている。 今年度は、まず近年保育施設の開設を巡って、地域社会から反対の声があがった事例のうち、「住宅市街地内の民有地への立地」に関する事例研究について、昨年度調査をしたも内容を論文としてまとめ、学会発表を行なった。また、同様に、地域社会から反対の声があがった事例のうち、「公園の転用」に関する事例について、関係者(地元住民)へのインタビュー調査を実施した。これを踏まえて、その実態を整理し論文としてまとめ、投稿した。 さらに、地域社会から反対の声があがった事例の研究について、全国実態の概要と事例調査をまとめたものをAsian-Pacific Planning Societies 2019(韓国)にて発表をした。台湾の研究者からは、こうした事例は聞いたことがないといった話があり、日本の保育施設を巡る状況の特殊性が示唆された。 都市と地方の自治体を取り上げ、各自治体の保育施設の悉皆調査を実施し、地域社会との関係づくりの実態を明らかにする点については、予備調査として、先進事例である埼玉県内のT保育園を見学し、その取り組みについてお話を聞いた。今後は、協力を得られた東京都の国立市内の保育施設について調査を進める予定で、今年度は国立市役所保育施設担当者に市内の保育施設の立地・整備の戦略についてインタビュー調査を実施した。また、市内保育施設の「お散歩マップ」について情報提供していただいた。以上をもとに調査の枠組みを改めて検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は、開設反対事例の調査を2017年度に終え、2018年度は都市(東京都世田谷区)・地方(岡山県岡山市)にある保育園を対象に、立地・整備プロセス・建築・運営の面で地域社会とどのような関係づくりを行っているのか、悉皆的に実態を明らかにする、という研究内容を想定していた。しかし、開設反対事例の調査を進め、深めるにあたり、事例の性質上、当初の想定以上に時間がかかってしまい、当該年度はその補足調査ととりまとめに時間がかかった。一方で、自治体内保育施設の悉皆調査についての対象自治体、調査内容などについて検討する調査の準備作業を進めることはできた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度、研究方法および調査内容の検討をできたため、それをもとに実施する予定である。当初計画していた自治体については変更し、協力が得られた東京都国立市での調査を予定している。ただし、COVID-19による調査の制約があるため(対面でのインタビュー調査などの実施が難しいため)、オンラインによる調査の実施も検討している。
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Causes of Carryover |
わずかな残額であったため。
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Remarks |
(1)においては、当該研究に関連して講師を務めた。
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