2021 Fiscal Year Annual Research Report
Transportation speed and time of vulnerable people during disasters in evacuation routes including tsunami evacuation towers
Project/Area Number |
18K13895
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Research Institution | National Research Institute of Fire and Disaster |
Principal Investigator |
大津 暢人 総務省消防庁消防大学校(消防研究センター), その他部局等, 主任研究官 (70802338)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 津波避難 / 要支援者 / 要配慮者 / 避難行動時間 / 避難困難区域 |
Outline of Annual Research Achievements |
津波避難タワーを含む市街地における災害時要援護者(以下、「要援護者」と略す)の津波からの搬送避難に関して、①併設された階段を使用した際の搬送速度との比較、②避難開始時間を含めた「避難予測式」の作成、③未災地の地形等の条件を付加した「搬送機種別避難困難区域図」を作成することによって、津波避難計画の有効性を検証を行った。 ①に関しては、「津波避難タワーにおける要援護者の搬送速度に関する実験」を高知県中土佐町にて実施した。本実験では、津波避難タワーの直線傾斜、螺旋傾斜においては車椅子、介助車、シルバーカーの3種類を用い、階段は車椅子、簡易担架、背負いの3種類の搬送方法を用いて搬送経路、搬送方法別の速度及び身体負荷を比較検討した。 ②に関して、①の実験で得られたデータをもとに、津波避難タワーの直線傾斜、螺旋傾斜、階段における搬送時間計算式を導出した。また導出した搬送時間計算式によって、大賞とした津波避難タワーの4つの避難経路における要援護者数が30人、80人、130人の場合での搬送完了時間を試算した。 ③に関しては、和歌山県海南市に搬送機種別避難困難区域図の作成方法を提供することにより研究成果の地域還元と社会実装を行った。 以上を用いて、今後の研究を深化させると共に、人的被害の低減方法を自治体や自主防災組織、住民に還元する地域貢献を継続したい。
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