2021 Fiscal Year Research-status Report
Study of land supply and continuity of community in "100-year kampungs"
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18K13907
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
林 憲吾 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (60548288)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | カンポン / 土地所有 / ブタウィ・ハウス / コミュニティ / 移築 / 花卉市場 / ジャカルタ / インドネシア |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度(2021年度)は、昨年度に引き続き、新型コロナウィルスの影響でインドネシアへの渡航が全くできなかった。そのため現地調査を断念し、ジャカルタ全域のマクロ分析を行った。 具体的には、これまでに作成した居住環境分類のデータをクルラハン(区)単位に集計し、中央統計局が実施する村落潜在性データ(PODES)や人口センサスデータとの統合を図った。ジャカルタの居住環境分類は、250mメッシュを単位としたデータであるが、一般的に提供されている統計データはクルラハン単位である。そのため、クルラハン単位にデータを統一し、社会経済的統計データとの相関をいくつかのサンプルデータを用いて検証した。その一例として、2010年の人口センサスを用いたジャカルタ特別州出身者の割合との関係を考察した。ジャカルタ特別州出身者の割合が低い区、すなわち新規流入者が多いと想定される区では、都市内集落型(都市型カンポン)の割合が低く、計画配置型の割合が高い傾向が出た。従来、都市内集落型は新規流入者の割合が高い、流動性の高い場所との印象が持たれがちである。しかし、この結果はむしろ、そこに流入した世代の次の世代にあたる地元出身者が増加し、ある意味でコミュニティの成熟した居住区になっていることを示唆している。反対に計画配置型の割合の高さは、ジャカルタの外から流入した中間層のベッドタウンとしてそうした住宅地が機能していることを示唆している。こうした結果は、申請者の特定地域でのフィールド調査の結果と一致した傾向を示している。独立後の流動性の高い都市型カンポンの状況が、歴史的な場として変化しているという本科研の仮説を支持する結果となった。現在収集しているPODESのデータを用いて、多変量解析などを今後進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究では、マクロ分析では検証が難しい、土地分割のプロセスを対象としていたため、現地調査ができなくなったことで、進捗は芳しくない。そのため、研究期間の延期をおこなった。ただし、マクロ分析を行うためのデータの整備や取得は十分に進めることができている。これまでのいくつかの事例で、フィールド調査というミクロな分析とマクロ分析との相互検証がうまくいっている。そのため、これまでのカンポンの語られ方とは異なるカンポンの特性を例外としてではなく、ある一定の傾向として提示することはできてきた。しかし、土地分割に対してはまだその段階に至っていないため、今年度マクロとミクロの統合を図りたい。
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Strategy for Future Research Activity |
以下の点を進める。 ①都市内集落型や百年カンポンの割合の高さとPODESや人口センサスによる社会経済的データとの相関を分析する。 ②土地局による土地権の未登録地や地価データをジャカルタ全域でGIS化し、居住環境類型ならびに百年カンポンとの相関を分析する。 ③一昨年度のフィールド調査で、ブタウィの住人の土地分割・供給において、親族に対しては非公式な土地所有権であるgirikで、血縁関係にない新規流入者には、公的な土地権利のひとつ建物使用権(hak guna bangunan)で取引する傾向がみられたが、他地域のカンポンでもそれが確認されるかをフィールド調査で検証する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響で予定していた現地調査ができなくなったことが大きな要因である。今年度は、渡航の見込みがたちそうなため、実地調査を再開し、遅れていた現地調査を進める。
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Research Products
(7 results)