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2021 Fiscal Year Annual Research Report

Creative Modifications in the Construction of the New St. Peter's Basilica in Early Modern Rome

Research Project

Project/Area Number 18K13911
Research InstitutionKyoto University of Arts and Crafts

Principal Investigator

岡北 一孝  京都美術工芸大学, 工芸学部, 講師 (00781080)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywordsルネサンス / 創造的修整 / サン・ピエトロ聖堂 / リノベーション
Outline of Annual Research Achievements

新しいサン・ピエトロ聖堂(以後、新聖堂とする)が、莫大な資金と、数多の優れた芸術家たちの奉仕によって形づくられたキリスト教建築文化を代表する建築である。とりわけブラマンテからミケランジェロ、カルロ・マデルノ、そしてベルニーニにいたるまでの構想と創作のバトンは、結果的にこのモニュメントの壮大さと崇高さへとつながったように思える。ただ、15世紀当初の旧聖堂は、状態こそ悪かったものの、災害等によって甚大な被害を被ったわけではなく、一から作り直さなければならないほどではなかったはずだ。大規模な再建への反対の声が大きかったことは、いくつかの記録やテクストが教えてくれる。本格的に再建工事が始まった16世紀初頭以降、1600年代になっても、旧聖堂のできる限りの保存が請願されていた。それでもなお、旧聖堂は跡形もなく壊されてしまった。
そこで、本研究では多くの人が興味を持つはずの、新聖堂のデザインの革新性や細部の妙、芸術家と教皇の群像劇については、あえて後景へと追いやって、そもそも旧聖堂の破壊という事実が、建築の保存行為とはまったく相反するものなのか、そして旧聖堂と新聖堂はおよそ不連続なモニュメントなのかを考察した。
2021年度の一つの成果は、アルベルティの美と装飾に関する論文「アルベルティ『建築論』のpulchritudoとornamentum ―建築における美と装飾を再考する― 」である。これは本研究で議論してきたアルベルティの「創造的修整」と装飾に関する議論である。アルベルティにとって、装飾は欠点や欠陥を整えるための優れた人為的操作であり、必然性をともなった化粧や衣服でもあった。装飾を通して、建物の修復することが、建築家の創作であるというアルベルティの強烈なメッセージ込められており、それがアルベルティのサン・ピエトロ聖堂の改築への態度にもつながると考えられる。

  • Research Products

    (6 results)

All 2022 2021 Other

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (1 results) Book (1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] アルベルティ『建築論』のpulchritudoとornamentum ―建築における美と装飾を再考する―2022

    • Author(s)
      岡北一孝
    • Journal Title

      京都美術工芸大学研究紀要

      Volume: 2 Pages: 49-65

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] 15 世紀イタリアの建築、彫刻、模型:マイクロ・アーキテクチャーの視点から2022

    • Author(s)
      岡北一孝
    • Journal Title

      日本建築学会 建築と模型[若手奨励]特別研究委員会 報告書

      Volume: - Pages: 55-70

  • [Journal Article] マイクロ・アーキテクチャー2022

    • Author(s)
      岡北一孝
    • Journal Title

      日本建築学会 建築と模型[若手奨励]特別研究委員会 報告書

      Volume: - Pages: 13-16

  • [Presentation] アルベルティのvarietasとconcinnitas2021

    • Author(s)
      岡北一孝
    • Organizer
      初期近代の文芸・芸術におけるvarietasとinventio
  • [Book] 原典 イタリア・ルネサンス芸術論 上2021

    • Author(s)
      池上 俊一
    • Total Pages
      524
    • Publisher
      名古屋大学出版会
    • ISBN
      9784815810269
  • [Remarks] リサーチマップ

    • URL

      https://researchmap.jp/albertiana

URL: 

Published: 2023-12-25  

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