2019 Fiscal Year Research-status Report
Research on Vann Molyvann's activities during the period of Cambodian Civil War
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18K13913
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岩元 真明 九州大学, 芸術工学研究院, 助教 (50772513)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | カンボジア内戦 / ヴァン・モリヴァン / 近代建築 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年9月にスイスにて調査を行い、ヴァン・モリヴァンがスイスに亡命していた時期(1971年から1979年、1990年から1996年)の足跡を、モリヴァンの親族へのインタビュー調査等を通じて把握した。ムルテン、ローザンヌ、フィノ―におけるモリヴァンの滞在地を確認した。さらに、モリヴァンがスイスにて設計に関わった建築について現地調査を行った(スイス連邦工科大学の建築群等)。また、モリヴァンの親族が所有する新資料を発見し、その検証を行った。1960年代の建築写真・工事写真、書簡に加え、ヴァン・モリヴァン後期の最重要作品である高等師範学校の原図(平面図・断面図・立面図)の新資料が見出された。この高等師範学校の原図については、デジタル化を行った。高等師範学校の資料内容については、2020年度日本建築学会大会にて発表を行う予定である。このほか、博士論文「カンボジアの建築家ヴァン・モリヴァン(1926-2017)に関する建築史的研究:国家揺籃期における建築家の課題」においてヴァン・モリヴァンの亡命期の活動について論じる一節を執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたスイスでの調査が完了した。重要な新資料の発見があり、この点については当初の計画以上の成果が上がったと言える。 ラオスでの調査は、令和2年1月以降の新型肺炎の世界的流行を考慮して中止した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度にはラオス、アフリカでの調査を行う予定であるが、新型肺炎の世界的流行の状況によっては中止せざるを得ない可能性がある。当初の予定を一部変更し、国連ハビタートの元スタッフ等に遠隔でインタビューを行うことも検討に入れる。柔軟な対応によって当初計画で得る予定であった成果の達成をめざす。
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Causes of Carryover |
令和元年度に遂行できなかった海外調査があったため、次年度使用額が生じた。これは、当該調査を翌年度に行う際に使用する。
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