2019 Fiscal Year Research-status Report
神事からみた社家住宅の空間的特質に関する基礎的研究―上賀茂・下鴨社家住宅を中心に
Project/Area Number |
18K13915
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
中西 大輔 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 研究員 (20727672)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 賀茂別雷神社 / 賀茂御祖神社 / 社家住宅 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、江戸時代の京都における神社神官の住宅がどのようなものであったのかを、神事執行という観点から明らかにしようとするものである。昨年度は、神社神官の住宅がどのように成立したのか、神事が行なわれる社殿がどのようなものであったのかを検討した。本年度は昨年度の内容に加え、上賀茂神社神官の住宅内における神事と住宅の関係を検討した。概要と今後の予定を以下に示す。 1、上賀茂神社神官の住宅の特徴について建築規制の面から引き続き調査を行なった。その結果、上賀茂神社門前の上賀茂社家町では、上賀茂神社の建築規制が農家の表側への増築・改築を基本的に認めていなかったことがわかった。この点も、神社神官の住宅が周辺の農家を基本にしながら、同じ形態にはならなかった理由の1つではないかと思われる。来年度は下鴨神社神官の住宅を対象として、住宅と神事の関係を検討する。 2、上賀茂神社神官の住宅内における神事で使用される建物の変遷を調査した。その結果、神官の代替わりに際して修理が行なわれていることがわかった。さらに、その記述をもとに建物の実態を把握した。また、神官交代の経緯と当時の状況を調査した。これらの結果をもとに、来年度はさらに調査を続け、神官の交代による神事と建物の関係を明らかにする。 3、上記建物について、全国を対象に類例の把握を行なった。来年度も引き続き類例を収集する。さらに、先行研究や修理工事報告書などがあるものについて整理し、上記建物との共通点・相違点を明らかにする。また、これらの結果をもとに、全国の類例について現地調査を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、今年度中に開始する予定であった類例についての現地調査を延期したため。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、今年度延期した内容も含め、計画にあげた調査研究を進める。そのうえで、成果をまとめる。
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Causes of Carryover |
(主な理由) 類例調査を延期したため。 (使用計画) 上記調査のための旅費等に充てる。
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