2019 Fiscal Year Research-status Report
近代日本における財閥組織のオフィスビル・オフィス街の成立過程に関する研究
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18K13916
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
野村 正晴 関西大学, 環境都市工学部, 助教 (50634325)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 財閥 / 都市経営 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成31年・令和元年度は4年間の研究期間の2年目として、初年度に引き続き法務局資料を中心として文献・資料収集と精査を継続的に実施中であり、①対象敷地に関する地籍地図・地籍台帳、不動産記謄本を収集して当該財閥組織の所有土地と土地異動の把握、②平面図をはじめとする図面資料の収集、③現地に赴き周辺街区を含めた対象建築物の写真撮影、という3つの基礎的作業と、先の作業の前提をなす近代日本の都市形成の実態的把握をきっかけとして、④研究対象期間に重なる時期の都市計画系専門雑誌を用いた派生的研究を行った。①、②、③については平成31年度・令和元年度は研究実施計画のうち主に中部地方、九州地方、近畿圏を対象として法務局と当該調査地に赴き文献・資料の収集と現地調査を行う予定であったが、新型コロナの影響もあり、近畿圏を中心とした現地調査と既入手の資料の読み込みを主体とした研究の実施となった。関東地方におけるこれまでの研究成果に事例を追加することで、開発主体としての財閥組織に焦点あてた近代日本のオフィス街における土地経営に関して、考察の対象範囲を拡大することに努めた。また、派生研究の成果の一部を利用して會田涼子・野村正晴:「Journal of urban planning in Japan: the acceptance of western theory and technique (1918-1945)」として国際学会9th AISU (Associazione Italiana di Storia Urbana) Congressにて共同発表を行った。 ④の派生研究を通して、近代日本における欧米都市構築技術の受容という視点が追加された。 令和2年度以降、遠方への移動が困難であること、公的機関の行政サービスの制限を前提とした今後2年間の調査方法、分析方法を確立させようとしている最中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナによる影響と派生研究での成果に対応して、研究計画を再構築中のため。
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Strategy for Future Research Activity |
法務局資料の収集と現地調査については、資料の取り寄せなど遠隔での作業を模索しつつ可能な範囲で継続する。しかし、行政サービスの制限などにより計画上の作業が困難な場合も想定される。そこで、①既に収集済みの資料の分析の実施、②派生研究として挙げた、既にまとまった資料が手元にある都市計画系専門雑誌を用いた研究の推進、この二つの作業を軸として令和2年度以降の今後の研究の推進方策としたい。
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Causes of Carryover |
2月と3月に予定していた名古屋および九州への調査旅行を新型コロナに考慮してとりやめたため。 次年度使用額については、新型コロナに対応した資料収集の費用と研究環境の変更に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)