2018 Fiscal Year Research-status Report
Comparative Research on the Conservation and Handing Down of Traditional Wooden Building Techniques in Japan and Europe
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18K13917
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Research Institution | Independent Administrative Institution National Institutes for Cultural Heritage Tokyo National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
マルティネス アレハンドロ 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 文化遺産国際協力センター, アソシエイトフェロー (50807815)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 木造建築遺産 / 大工技術 / 無形文化遺産 / 墨付け / 大工研修 / 野外博物館 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はイギリスを対象とし、木造建築遺産保存に関する現地調査を行うとともに、ヨークで開催されたイコモス木の委員会第21回国際シンポジウムに参加し、現時点までの研究成果について発表を行った。また、日本の木造建築技術に関しては、文化財建造物保存技術協会が開催する木工技能者研修についての現地調査を行った。 1.イギリスにおける木造建築遺産保存に関する現地調査及びイコモス木の委員会第21回国際シンポジウムへの参加(2018(平成30)年9月7日~19日):イングランド中部・北部(ヨークシャー・アンド・ザ・ハンバー地域、イースト・ミッドランズ地域、ウェスト・ミッドランズ地域)を中心に、木造建築遺産の残存状況、その保存の方法及び修理履歴に関して調査を行った。また、2018(平成30)年9月12日~15日にヨークで開催されたイコモス木の委員会第21回国際シンポジウムに参加し、下記の通り研究発表を行った。 2.日本の木造建築技術に関する調査:文化財建造物保存技術協会が開催する木工技能者研修のうち、2018(平成30)年6月25日~30日に富士宮で開催された「第23回普通コース」及び2019(平成31)年2月4日~9日に東京で開催された「第19回上級コース」を対象に、研修の内容と体制、講師と研修生の経歴について調査を行った。 なお、本研究は「伝統的木造建築技術の保存継承に関する日英比較研究」(研究スタート支援)(平成29年度~平成30年度)から発展させたものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目的であったイギリスにおける伝統的木造建築技術の調査および日本の大工研修に関する調査を遂行し、その結果のまとめに取り掛かっている。さらに、国際学会における発表を行い、刊行物の出版によって研究成果の一部を公開した。したがって、研究がおおむね計画通りに実施され、順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は当初計画の通りヨーロッパにおける伝統的木造建築技術の調査を継続的に行う予定である。対象としては、フランスの大工技術および大工研修を予定している。さらに、日本の大工研修について、日本伝統建築技術保存会が開催する木工技能者研修に関する調査を行う予定である。上記の調査の結果および昨年度の研究成果を踏まえて、日本建築学会大会において研究発表をお行い、学術論文を投稿することを目的とする。
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Causes of Carryover |
本年度購入する予定であった物品(外付けHDD他)が研究の進捗状況により本年度内には不用となり、次年度に購入することとした。
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