2021 Fiscal Year Research-status Report
宇宙用大型膜の初期変形を用いた展開の高信頼性化と展張形状の高剛性化
Project/Area Number |
18K13929
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
佐藤 泰貴 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (70726760)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 膜構造 / 折り目 / 展張形状 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,宇宙用大型膜の展開の信頼性と展開後の高剛性化を実現するため,膜の初期変形を考慮した設計論を構築することを目的としており,1.展開/展張解析モデルの構築,2.展開/展張の現象理解,3.大型膜設計論の構築を実施する.2021年度は主に3の大型膜の設計論を構築するため,2020年度実施の展開構造モックアップによる試験結果に基づき,剛性および精度向上のための設計変更などを施したうえで,それらを反映したBBMモデルの製作とその試験・評価を試みたものの,コロナによる出勤制限,実験補助の学生の不足により,完了できなかった. 一方,2019年度に実施した,粘弾塑性を考慮した折り目の力学モデルに関して,追加実験・追加解析などを実施し,折り目形状の形状予測精度の向上や簡易力学モデルの提案などを行うとともに,査読論文にまとめた.追加実験に関しては,粘性に関する物性値の詳細な評価(緩和弾性率の追加取得,除荷時の応力ひずみ曲線,ひずみによるシフトファクタの同定など),折り目展開形状のばらつき,膜材の長期保管による影響などを追加で評価した.追加解析に関しては,追加で取得した粘性特性や粘性のひずみ依存性を考慮した材料モデルの構築,簡易に評価するための二次元理論解析や,シェル要素と折り目部のヒンジ化による簡易モデルの構築などを実施した.以上をまとめ,査読論文(AIAA Journal)に投稿し,アクセプトされた(アクセプト後の出版準備中のため,論文リストには未記載).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナによる出勤制限,実験補助の学生の不足などにより,展開実験モデルの再製作とそれを用いた展開試験を実施できなかった.このため、やや遅れているとした.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はBBMの製作と実験・評価を実施できる見込みであるため,中旬には実験を終了してまとめ作業を実施し,年度内に研究を完了する予定である.
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Causes of Carryover |
コロナのため,膜展開構造BBMモデルの試作ができなかったため,2022年度に繰越すこととした.年度中旬には試作を完了できる見込みである.
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Research Products
(3 results)