2018 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of the influence of the mechanism of freak wave generation on the vertical bending response of a ship
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18K13941
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Research Institution | National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology |
Principal Investigator |
宝谷 英貴 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (30636808)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 弾性模型 / 変調不安定波 / 縦曲げモーメント / 波形状 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、線形集中/準共鳴相互作用というフリーク波の形成メカニズムの違いが、コンテナ船弾性応答(特に最大サギングモーメント)にどのような影響を及ぼすのかを、フリーク波の形状に着目して明らかにすることを目的としている。当該年度は、以下を実施した: コンテナ船弾性模型を用いた変調不安定波中の縦曲げ応答を計測した実験結果をもとに、波形状が船体に作用する最大サギングモーメントに及ぼす影響について詳しく調べた。その結果、最大サギングモーメントが、波の後方波高(波頂とその後方の谷で定義)および前方波高(波頂とその前方の谷で定義)と後方波高の比の関数として表されることを明らかにした。波形状は1周期程度の短時間に前傾→後傾と大きく変化するため、コンテナ船とフリーク波が遭遇するタイミングにより、縦曲げ応答が大きく変わることがわかった。この前傾→後傾という波形状の変化は、変調不安定にとどまらず、線形集中波やガウス関数型波群中の巨大波等、様々な巨大波に共通した特徴のようである。 また、線形集中、準共鳴相互作用というフリーク波の形成メカニズムが、コンテナ船弾性応答に及ぼす影響を明らかにすることを目的としていることから、実験水槽における線形の造波方法の可能性についても検討した。海上技術安全研究所の実海域再現水槽では、その全周に分割式造波機を備えているため、波向きがほぼ180度異なる2つのピークを有する方向スペクトルであらわされるようなopposing seaを造波できることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、過去に製作したコンテナ船一体型弾性模型を修理して、新たに実験を実施する予定であったが、交付額が査定されたことにより、模型船を修理することができなかった。また、平成30年度終了時に所属が異動となり、異動後の水槽施設で修理した弾性模型を曳航することは、模型船サイズの関係で不可能となった。そのため、当初の計画を変更し、サイズの小さい弾性模型を新たに製作すべく検討を行った。このような計画変更に伴い、水槽実験を実施するまでに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
東京大学への異動に伴い、新たな水槽実験を東京大学の船型試験水槽(83m×3.5m×2.5m)にて実施することとする。そのために、新たに長さ2m程度のコンテナ船弾性模型を製作する。 また、波形状とコンテナ船に作用する最大サギングモーメントの関係が明らかになったことから、線形集中/準共鳴相互作用というフリーク波形成メカニズムの船体弾性応答(最大サギングモーメント)への影響については、不規則波のモンテカルロシミュレーションを行い、それぞれのメカニズムによる波形の違いについて考察していく。波のシミュレーションには、波の非線形発達を考慮できる高次スペクトル方を用いる。
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Causes of Carryover |
交付額が査定されたことにより、当初予定していた既存のコンテナ船弾性模型の修理を実施することができなくなった。また、平成30年度終了後に所属が異動することとなり、異動先にある実験水槽で使用可能なサイズの弾性模型(既存の模型船より小さい)を異動後に新たに製作するよう計画を変更した。そのために、次年度使用額が生じた。そして、次年度新規交付額と合わせ、上記の通り、コンテナ船弾性模型(長さ2m)の製作に使用する予定である。
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