2018 Fiscal Year Research-status Report
The effect of the welding residual stress on the ultimate strength of the stiffened panel
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18K13945
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Research Institution | National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology |
Principal Investigator |
小森山 祐輔 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (90805110)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 溶接残留応力分布 / X線残留応力計測装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、文献調査、溶接継手試験片の設計および作成、X線残留応力測定装置を用いた溶接継手試験片の残留応力分布の計測を実施した。 溶接継手試験片の製作においては、熱弾塑性解析を実施するために使用する鋼材の温度依存性の材料特性が明らかになっている鋼材を使用する必要があるため、文献「複雑形状部機器配管健全性実証(IAF)事業 原子炉圧力容器の異材溶接部に関する高温材料特性データ集」において温度依存性の材料特性が整理されている「SM490A」材を使用することにした。試験機の載荷容量や設置可能寸法等を考慮して板厚は12.0mmとした。また、開先角度やルート間隔、溶接条件等は大学や造船会社等の実績を参考に決定した。以上、鋼材、寸法、溶接条件等を決定し、溶接継手試験片の設計・製作を実施した。 X線残留応力計測装置を利用し、製作した溶接継手試験片の溶接残留応力を計測した。黒皮有りの状態と、塩酸9.5%の溶液を用いて黒皮除去処理を実施した状態で、溶接残留応力の計測を実施した。その結果、黒皮有りでは溶接部において引張残留応力が大きい分布を計測することが出来なかった。一方で、黒皮除去処理を実施した場合は、溶接部で引張応力のピークがある分布を計測することが出来た。 今後としては、30ton試験装置を用いて溶接継手試験片に繰り返し荷重を与え、その際の溶接残留応力分布の遷移をX線残留応力計測装置を用いて計測を実施する。また、X線残留応力計測装置の計測精度を検証するため、応力解放法を用いた溶接残留応力分布の計測を実施する。さらに、熱弾塑性解析を実施し、実験との比較・検証を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度では、文献調査、溶接残留応力の計測、熱弾塑性解析による溶接残留応力の推定を実施する計画であった。文献調査と溶接残留応力の計測は2018年度に実施された。さらに、溶接残留応力計測のための溶接継手試験片の設計と製作も実施した。一方で熱弾塑性解析については、2019年度に実施するように計画を調整している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終目的は、溶接残留応力が防撓パネルの最終強度に及ぼす影響を明らかにすることである。そのためには、溶接残留応力分布を把握することが必要であるため、2019年度では、初期状態から荷重を負荷された場合に、溶接残留応力がどのように遷移するかということを明らかにしていく。そのために、溶接継手試験片に繰り返し荷重を載荷する実験を実施する計画である。さらに、数値計算においても同様な解析を実施し、数値上での再現性を検証していく。また、得られた溶接残留応力分布の影響を考慮した最終強度の計算手法の開発も並行して実施する計画である。
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Causes of Carryover |
当初は防撓パネル試験片を数体製作する計画をしていたが、査定により計画していた予算額が減少したため、研究計画を見直し、2019年度に試験体を設計する計画に変更したため。
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