2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K13950
|
Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
佐々木 康朗 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 講師 (70743772)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 知識移転 / 意思決定 / システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は三カ年計画であるが、一年目である本年度は、知識移転・共有のミクロ的基礎に関する基礎的な理論モデルの構築に取り組んだ。ここでいうミクロ的基礎とは、他者への知識移転を、個々の意思決定主体(個人や組織)による意思決定の結果と捉えた場合のメカニズムを指す。特に、必然的に知識の提供者と受容者が関わるため、複数意思決定主体の相互作用を扱うゲーム理論が基礎となる。 まず基礎的な分析として、このような状況での意思決定主体の合理的選択を扱うため、特に現実的な意思決定状況である多目的ゲーム(通常のゲーム理論と異なり、複数の意思決定基準を持つ場合)における選択プロセスを理論的にモデル化し、その特徴について検討を行った。この成果は、意思決定・ゲーム理論関連の著名な国際学会および国際論文誌にて報告した。 加えて、実証的な観点からの研究も実施し、システム科学の分野で発展しているシステム知性と呼ばれる行動特性が、知識移転・共有を含む組織的知識創造のプロセスにどのように作用するかを、国内の企業等勤務者を対象としたアンケート調査のデータに基づき、統計的に分析した。この結果、ある種の行動特性が、特定の知識創造プロセスに有意に影響を及ぼしていることが明らかになった。この結果は、経営学関連の著名な国際会議にて報告した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記「研究実績の概要」に記した通り、当初計画に沿って、基礎的な理論モデル構築に関する分析を実施し、その成果を国際会議、論文誌等で発表できたことから、おおむね順調に進展していると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究成果、および別途進めている文献調査や、未発表ではあるものの検討を進めている内容に基づき、より一般性の高い理論モデル構築に取り組む。最終年度に予定している実験室実験の内容も検討を進める。成果は随時、積極的に学術会議、論文誌等にて発表する。
|
Causes of Carryover |
主に国外旅費が当初計画より少なかったため、次年度使用額が生じた。次年度の物品費、旅費に充当する。
|
Research Products
(3 results)