2019 Fiscal Year Research-status Report
Vulnerabilities, Resilience and Potential of Inclusive Disaster Risk Reduction and Management Politices from Sexual Minority Survivors' Perspectives
Project/Area Number |
18K13965
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
山下 梓 弘前大学, 男女共同参画推進室, 助教 (60762094)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 災害 / 性的マイノリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、性的マイノリティ被災者へのインタビュー調査(前年度からの継続)、インタビュー調査における回答の効果的な分析法の検討、関連する最新の研究や進展する防災政策についての文献調査を行った。 性的マイノリティ被災者へのインタビュー調査は、2019年6月~2020年1月にかけて、熊本県、福岡県、北海道において実施した。熊本地震(2016年)、北海道胆振東部地震(2018年)を経験した9名のレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー(LGBT)等の性的マイノリティの人たちから、災害時の経験について、回答者ご本人の性的指向・性別自認・性別表現とのかかわりに焦点をあてながら、1人60分~100分程度、個別にお話を伺った。日本国内はもとより、世界的にみても災害時の性的マイノリティ被災者の経験に関する調査研究は限られているが、本研究のインタビュー調査により、災害時の性的マイノリティ被災者の経験の記録を進めることができた。 年度の後半には、インタビュー調査の回答の効果的な分析法を検討した。これに加えて、今後実施する予定である防災政策関係者へのインタビュー調査と、本研究の全体的な分析・まとめに向けて、関連する最新の研究や進展する防災政策について文献調査を進めた。 平成31/令和元年度までの研究成果は、『地域ケアリング』(21巻5号Pp.91~93)と『近代消防』(708号Pp.84~87)に投稿し、掲載された。また、防災月間の9月には中央大学主催連続公開講座「LGBTをめぐる社会の諸相」の第3回「LGBTと防災―災害リスクの理解とレジリエンス・尊厳」に登壇し、本研究の成果も含めて共同報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度は、性的マイノリティ被災者へのインタビュー調査、防災政策関係者へのインタビュー調査の質問項目の検討、防災政策関係者へのインタビュー回答者の調整、国内の防災政策関係者へのインタビュー着手を予定していた。 性的マイノリティ被災者へのインタビュー調査は、当初予定していた人数以上の協力を得て完了することができた。その一方で、防災政策関係者へのインタビュー調査の質問項目の検討、防災政策関係者へのインタビュー回答者の調整、国内の防災政策関係者へのインタビュー調査に関しては、下準備のための関連する最新の研究の文献調査は行ったものの、実施に至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31/令和元年度に当初予定しながら完了できなかった防災政策関係者へのインタビュー調査の質問項目の検討、防災政策関係者へのインタビュー回答者の調整、国内の防災政策関係者へのインタビュー調査に関しては、令和2年度に実施する。令和2年度には、また、国際機関の防災政策関係者へのインタビュー調査も実施するとともに、これら関係者へのインタビューデータの考察と、本研究の最終年度に向けて研究成果のとりまとめに着手する。
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Causes of Carryover |
当初、防災政策関係者のもとに出向いてインタビュー調査を行うことを予定していたが、これを予定どおり実施できなかったことから、旅費と謝金を執行せずに次年度使用額が生じた。次年度使用額と翌年度分として請求した助成金は、翌年度、国際機関関係者も含めて複数の防災政策関係者へのインタビュー調査を実施するので、旅費及び謝金として使用する計画である。
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Research Products
(1 results)